LIXILでは、16年以上使ってきたFiBridgeIIの安全性と使いやすさを評価し、会計システム統合にあたってもFiBridgeIIを採用しました。
住まいと暮らしの「総合住生活企業」として、グローバルに事業展開を進める株式会社LIXIL(リクシル)では、社内帳票の電子化を1996年からスタートされています。また、グループ全体で利用する統合会計システムの帳票基盤についても、FiBridgeIIを継続採用いただきました。その経緯と効果について、統合会計システムの構築を担当された株式会社LIXILインフォメーションシステムズのプロジェクト開発部 統合会計グループ グループリーダー 松本勇氏、技術管理部 技術グループ 主査 藤江寿紀氏、プロジェクト開発部 統合会計グループ 小林亮介氏に詳しくお聞きしました。
LIXILについて
- LIXILについて教えて下さい。
LIXILは、トステム株式会社、株式会社INAX、新日軽株式会社、サンウエーブ工業株式会社(製造部門は除く)、東洋エクステリア株式会社が2011年4月1日に統合して誕生した、建材や住宅設備機器の製造、販売を行うメーカーです。
LIXILとは、住=LIVINGと生活=LIFEの2つの「LI」を組み合わせたもので、住まいと暮らしの「総合住生活企業」として、住まいに関するあらゆる製品とサービスを提供しています。

統合会計システムにFiBridgeIIを採用
- FiBridgeIIを、どのように活用されていますか。
LIXILでは、グループ全社で使うシステムの統合を進めており、その第1段階として、会計システムを統合しました。FiBridgeIIには、統合会計システムの電子帳票機能部分を担わせています。旧トステム時代から利用してきたFiBridgeIIを統合会計システムでも活用するため、FiBridgeIIリフレッシュ・プロジェクトを立ち上げ、対応しました。
統合会計システムのユーザー数は合計650名で、メインは経理担当者です。現在の電子帳票数は750となっています。
- FiBridgeIIリフレッシュ・プロジェクトの内容について教えて下さい。
まず、その前提となる、全社で使う会計システムの統合プロジェクトである、統合会計プロジェクトについて、概要をご説明します。

「FiBridgeII以外の製品を選ぶ理由が見当たりませんでした」松本氏
統合会計プロジェクトの概要
項 目 | 新システム | 旧システム |
---|---|---|
目 的 | LIXILグループ内の、会計システムの統合 | - |
システム構成 | 全社の売掛管理、買掛管理、財務会計、管理会計に関するシステムを一本化 | 合併前の各社の経理システムをそのまま引き継いでいたため、異なる複数のシステムが存在していた |
プロジェクト開始 | 2010年 | - |
上記、会計システムの統合に対応すべく、2011年にFiBridgeIIのリフレッシュ・プロジェクトに着手しました。その概要は以下の通りです。
FiBridgeIIのリフレッシュ・プロジェクトの概要
項 目 | 内 容 | 目 的 |
---|---|---|
プロジェクト 開始時期 |
2011年7月 | - |
リリース時期 | 2012年7月 | - |
リフレッシュ項目 |
|
サーバを仮想化して集約することにより、コスト削減を図る 対障害機能を高めるために、障害発生時のダウンタイム短縮を図る ホスト帳票のオーバレイ資産を活用しながら、オープン系システムの帳票データ取り込みに対応、帳票設計コストの削減を図る ID、PWの管理を効率化 |
電子帳票システム導入の理由
- 旧トステム時代のことから、順を追ってお聞きします。
トステム時代に、どのような理由で帳票を電子化されたのでしょうか。
電子帳票システムの導入を検討したのは、法定帳簿の電子化を推進し、ペーパーレス化によるコスト削減を実現するためです。
帳票を電子化することで、ペーパーレス化でき、印刷、保管にかかる費用を削減することが可能でした。当時、旧トステムの経理本部では出力した帳票を数万枚保管していましたので、その削減額はかなりにのぼることが予測できました。
- FiBridgeIIを選ばれた理由は何ですか。
電子帳票システムを導入するにあたっては、以下の3つの条件で、複数の製品を検討しました。

「CPU使用率も低く、インフラにも負荷がかからない点が評価できます」藤江氏
1.データの変換速度
数万頁という帳票があるため、データの変換速度を最も重視しました。変換速度が速いほうがインフラも省力化できますし、コスト削減につながります。そして、ユーザーに早く電子帳票を提供できます。試用して変換速度を実測したところ、他製品では5分かかるものが、FiBridgeIIでは40秒でした。
2.データの圧縮率
当時は大容量のディスクは高価だったので、コストを抑えるため、圧縮率が高く、ファイル容量が小さく抑えられる製品を希望していました。最も圧縮率が高かったのが、FiBridgeIIでした。
3.オーバーレイの自動変換
帳票のレイアウトはホスト上で自製していました。電子帳票化にあたっては、ホスト帳票のレイアウト(オーバレイ)を自動変換してくれるシステムを選ぶつもりでした。FiBridgeIIはホストのオーバレイを自動変換してくれるので、手間がかかりませんでした。
いずれの条件においても、FiBridgeIIが優れていたので、FiBridgeIIを導入しました。
- 当時の導入効果について教えて下さい。
ペーパーレス化することで、年間1.5億円のコスト削減を実現しました。また、経理帳票に関しては目標であった90%の電子化を達成することができ、大型のホストプリンタを無くすことができました。
副次的な効果として、従来はバラバラだった帳票設計そのものを標準化することができました。
統合会計システムにFiBridgeIIを採用した理由
~ 使いやすさと安定性
- この度の会計システム統合の際に、FiBridgeIIを採用された理由は何ですか。
統合会計システムにベースとして利用するERPパッケージに電子帳票機能が付属していたので、当初は、その電子帳票機能で対応することを考えていました。しかし、付属の電子帳票機能では、これまでFiBridgeIIで実現できていたことができず、使いづらいことがわかりました。
FiBridgeIIは、長年使っていましたが、安定して稼働していた実績があり、安心して利用できます。また、FiBridgeIIは、使い慣れたシステムだったので、ユーザー教育の必要もありません。
LIXILの統合会計システムは、ホストからオープン系サーバに移行することが決まっており、オープン系サーバの出力データを直接、電子帳票に登録できることが条件でしたが、最新のFiBridgeIIのバージョンでは、ホストデータに加え、オープン系サーバからのデータも取り込めるようになっていました。そこで、統合会計システムにもFiBridgeIIを採用することにしました。

「統合前の各社のPC環境を引き継いでいたので、環境が異なっても簡単にインストールできるActivX版クライアントを採用しました」小林氏
FiBridgeIIへの評価
- FiBridgeIIへの評価について教えて下さい。
FiBridgeIIは、安定した手間のかからないシステムです。ホストからオープン系に移行しましたが、インフラに負荷をかけることもなく、問題なく稼働しています。従来のFiBridgeIIと比べてかなり進化しており、LIXILとしては満足しています。
今回、CSVマッピングツールを導入したことで、統合会計システムの帳票データの登録をスムーズに進めることができました。統合会計システムの運用に伴い移行すべき帳票は合計750あります。過去分のデータ移行に関しても2カ月で、390帳票の移行が完了しました。
FiBridgeIIのクライアントは、ActiveX版の配布が可能な点も評価できます。2、3回クリックするだけでインストールできるので、ユーザーへの展開も スムーズに完了しました。統合会計グループがサポートをすることなく、経理部門のパソコンへのインストールも終了しました。LIXILは、旧5社が統合されてできたという経緯があり、各パソコンの環境が異なっていました。EXE版の配布に限られる場合は、導入手順書を5種類用意する必要があり、その作成の手間を省くことができました。
また、帳票のレイアウト設計については、協力会社に依頼しましたが、特に詳細な指示を出さなくても、LIXILが期待したデザインの帳票を作り上げてくれました。CSVマッピングツールはホストのオーバレイを下書きとして取り込めるので、簡単に作成することができたのだと思います。
JFEシステムズへの評価と今後の期待
- JFEシステムズへの評価、及び今後の期待を教えて下さい。
JFEシステムズは、定例会で確認された課題に対しては、いつも短期間で対応してくれました。作り込みの部分もありましたが、1週間程、LIXILにつめて検証まで確実に対応してくれました。利用者の立場で対応してくれる点が評価できます。
今後は他のシステムの統合も予定されており、そのときにはまたお世話になることもあるかと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。