川崎重工業株式会社川崎重工業株式会社 様

取材日:2012年11月

FiBridgeII (ファイブリッジ ツー)
導入事例

業種
重工業
キーワード
  • 電子帳票
川崎重工業株式会社

FiBridgeIIは15年間一度も止まることなく安定稼働しており、技術の進歩にも対応しているので、安心して使い続けることができます。

重工業分野で幅広い活動をしている川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は、1996年の導入以降、現在に至るまでFiBridgeIIを活用されています。その活用状況や効果などについて、同社 情報企画部 情報基盤課 基幹職 杉山健氏、人事部 人事課 基幹職 二村彰洋氏、当時の情報システム部門が分社化され、現在、FiBridgeIIの運用を担当されているベニックソリューション株式会社 ソリューション本部 副本部長 岸田耕一郎氏にお伺いいたしました。

川崎重工の事業概要と特長

- 川崎重工の事業概要と特長について教えて下さい。

川崎重工は、陸・海・空はもとより、宇宙や深海に関するものまで多岐にわたる事業を展開しています。航空機から人工衛星まで手がける航空宇宙事業。LNGなどのガス船や潜水艦を得意とする造船事業。新幹線、ニューヨーク地下鉄などに車両を送り出す鉄道車両事業。ガスタービンやバイオマス発電で実績があるエネルギー関連事業。各種プラントや環境関連設備を製造するプラント事業。産業機械、産業用ロボットなどの精密機械事業。モーターサイクル、ジェットスキー、ガソリンエンジンなどを扱うエンジン事業。このように幅広い事業を展開しているのが川崎重工の特長です。

- FiBridgeIIをどのように利用されていますか。

オフィスビル外観写真

1996年に経理と人事の主要帳票で試験運用を開始し、翌97年から全社的に運用を始めました。特に経理部門と人事部門はグループ全社共通の帳票も管理しているため利用帳票数は多く、現在では電子帳票数は経理部門が800帳票、人事部門では賃金台帳、源泉徴収台帳など500帳票となっています。導入ライセンス数は120、利用ユーザー数は750です。

2007年にはオープン系のシステム運用開始に伴い、オープン系対応のFiBridgeIIにバージョンアップしました。2010年にはデータダウンロードオプションを追加し、SAP R/3の帳票にも対応できるようにしています。

川崎重工におけるFiBridgeII利用概要図

川崎重工におけるFiBridgeII利用概要図

導入前の課題 ~夜間に帳票の配送準備が完了しないことが常態化

- 導入の経緯についてお聞かせ下さい。

当時はホストを使って夜間に帳票を出力・仕分けし、各拠点に配送していましたが、決算期には段ボールで何十箱分もの帳票を1回で出力する必要があり、朝までに配送準備が完了しないこともありました。特に決算時はチェック・修正で数回出力を行うため、その都度大量の帳票を出力する必要があり、その負担はかなりのものでした。

加えて、各部門の要望に対応するために帳票は増加する傾向にあり、出力数も増える一方でした。さらに、帳票を保管するために専用の倉庫を設ける必要もあり、保管費用もかさんでいました。

このように帳票を紙に出力して管理していたため、用紙代、消耗品代、保管費、処分費、配送費、人件費が年々増加の一途を辿っており、これらのコストをなんとか削減したいと考えていました。
また、帳票が紙であることで、必要な情報の検索をするにも、分厚い書類を指で1枚ずつめくりながら注文番号や部門番号などを見て、必要な帳票を探す必要があり、膨大な手間と時間がかかっておりました。

杉山氏

「FiBridgeIIは安定しているので、本来の業務に専念できます。」
杉山氏

これらの問題を解決するために帳票を電子化することにし、計7製品の電子帳票システムを比較検討しました。

製品検討の要件 ~機密性に優れた使いやすい製品であること

- どのような条件で、製品を比較検討しましたか。

以下の4つの条件で、電子帳票システムを比較しました。

1.機密性に優れていること
社員全員の人事データを扱うため、機密性を重視し、データベースが暗号化され、簡単に情報を閲覧できないシステムが必要でした。

2.使いやすいこと
スムーズに導入・運用するために、これまでの紙媒体と同様の感覚で扱える電子帳票システムにしたいと考えていました。

3.拡張性が高いこと
電子帳票データは将来的に増えることが予想されましたので、拡張が容易であることも大きな選定ポイントでした。

4.ゼロックスフォームの変換率が高いこと
当時は富士ゼロックスのフォームに、原稿を重ね合わせて帳票を印刷していました。富士ゼロックスフォームの既存帳票をそのまま電子化し、帳票作成の手間を省きたいと考えていましたので、この点も大きな選定ポイントとなりました。

各製品を比較検討した結果、これらの条件を最もよく満たしていたのがFiBridgeIIでした。

オープン系移行の際に他製品を考慮しなかった理由

- 導入時にどのような点を工夫されましたか。

川崎重工ではコスト管理を厳密に行うためにコンピュータシステムにも利用者負担制度をとっております。しかしながら、課金の仕方によってはFiBridgeIIの利用促進を阻害する危険性があった為、利用と課金のバランスがとれるように工夫しました。具体的にはID数で課金すると利用を抑制する危険性があるため、FiBridgeIIサーバに保管するデータ量で課金することにし、その仕組みを独自に開発しました。同じフォルダを複数の部門で利用する場合には、利用割合をマスターで決めて算出しています。その利用割合は時々によって異なるので、マスターは定期的に見直して実情を反映するようにしています。

- 2007年にオープン系システムを構築された際、他製品との比較はされませんでしたか。

二村氏

「今後は給与明細の電子帳票化を検討していきます。」
二村氏

他製品の導入を考えたことはありません。FiBridgeIIは導入後15年間、1度も止まることなく安定稼働し続けており、それに対する評価は非常に高いものでした。また、新たに別製品を導入するとなると、これまでの帳票を新システムに移行する手間が必要となります。そのリスクを取ってまで他社製品に切り替えるメリットは考えられなかったのです。

導入効果 ~定量・定性合計5つの効果が

- 導入効果について教えて下さい。

定量的効果として2つ、定性的効果として3つ、合計5つの効果を挙げることができます。

<定量的効果>

1.コスト削減
帳票の中間出力が不要になったため、出力は保管用の最終帳票のみとなり、2011年度には2005年度との出力実績比で56%まで帳票の出力を抑えることができました。また、数値としては表せませんが、仕分けコストや保管コストの削減効果、業務効率化による目に見えない形でのコスト削減効果もありました。

また、人事関係の帳票出力の際には、担当者がプリンターの側について漏えい事故が発生しないように監視チェックしていましたが、その回数が減り監視人員も減らすことができました。

2.転記ミスがゼロに
ハローワークに毎月提出する数十件の書類を以前は人が関連する帳票から数字を拾い集めてエクセルで作成していましたが、手入力のためどうしても転記ミスが発生していました。しかし、FiBridgeIIの導入で人を介さずに作成できるようになり、転記ミスはゼロになりました。

<定性的効果>

1.情報漏えいのリスク低減
書類を配送する必要がなくなったこと及び、人事関係の帳票出力が減ったことから、盗難、紛失、誤配送などによる情報漏えいのリスクが低下しました。

2.翌朝に帳票を確認できるように
朝になっても仕分けが完了していないといった従来の課題は解決でき、翌日の朝一番には夜間に作成した帳票類を全社で確認できるようになりました。

3.業務部門の効率化
複数の条件で検索できるので、必要な帳票をすぐに探し出せるようになりました。また、SAP R/3で処理した結果も数分でFiBridgeIIで出力できるようになり、業務部門の効率化を図ることができました。

FiBridgeIIへの評価

- FiBridgeIIへの評価について教えて下さい。

紙の帳票を見ているのと同じイメージで画面上で見ることができるので、ユーザーも混乱することなく、スムーズに導入できました。また、検索機能が優れており、検索速度も速いので、ストレスもありません。ユーザーも大変便利になったと喜んでいます。

管理する側としては、安定稼働している点が最も評価できます。障害対応が不要なので、本来の業務に専念できます。また、FiBridgeIIは日々のIT技術の進歩にも対応しており、バージョンアップで新たに機能が追加されていくので安心して使い続けることができます。

- JFEシステムズのサポートはいかがでしたか。

環境構築から運用構築まで全面的にサポートしてもらうことができ、導入決定から半年で試験運用を開始することができました。

岸田氏

「導入決定から半年で運用開始できたのも、JFEシステムズの全面的なサポートのお陰です。」
ベニックソリューション
岸田氏

レスポンス良く対応してもらえるのも、JFEシステムズの特長です。新帳票作成の際、データ移行に失敗したことがありましたが、すぐにオンサイト対応してくれました。また、バージョンアップの際にも本番運用の開始に合わせて、待機して万が一に備えるという配慮もしてもらうことができました。JFEシステムズには何かあればすぐに対応してもらえるという安心感があり、頼りにしています。

今後の取り組みとJFEシステムズに対する期待

- 今後の取り組みの方向性を教えて下さい。

現在、DataDelivery(データデリバリー)機能を使って、大量のデータの保存や効率的な活用ができるように検討を進めています。SAPのデータをDataDelivery機能で保存すれば、SAPのデータを二次・三次加工して活用できますし、監査時などにも容易にデータのチェックができるようになります。

また、システム管理の負担を軽減して業務効率をアップするために、FiBridgeIIのクライアントを順次、Active-X版に切り替えていきたいと考えています。

- JFEシステムズに対する今後の期待について、教えて下さい。

現在、川崎重工ではiPhoneやiPadといったスマートデバイスを使った在庫確認・出庫指示システムを構築し、運用しています。今後、更にスマートデバイスを活用して業務の効率化を図るシステムを積極的に構築していくつもりです。FiBridgeIIの帳票やデータをスマートデバイスでも利用できるように対応してもらうことを希望します。よろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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