ANAビジネスソリューション株式会社ANAビジネスソリューション株式会社 様

取材日:2011年10月

FiBridgeII (ファイブリッジ ツー)
導入事例

業種
情報サービス
キーワード
  • 電子帳票
ANAビジネスソリューション株式会社

ANAビジネスソリューションでは、500社の代理店様向け請求書送付システムにFiBridgeIIを活用しています。

ANAの航空券の精算事業などを行うANAビジネスソリューションは、FiBridgeIIを使って、代理店様向け請求書送付システムを構築されました。その経緯と効果について、ANAビジネスソリューション 精算事業部国内グループ チームリーダー 川口忠康氏(写真中央)、精算デスク マネージャー 大川雄平氏 (写真右)、精算デスク マネージャー 篠原智氏(写真左)に詳しくお話をお聞きしました。

ANAビジネスソリューションとANA eビリングサービスについて

- ANAビジネスソリューションの事業について教えて下さい。

ANAビジネスソリューション(以下、「ABS」)は1989年に設立され、ANAおよびANAグループ企業のビジネスサポート分野を担う中核会社として「航空券審査精算事業」のほか、「ビジネスサポート事業」、「人材派遣・紹介事業」を展開しています。
その中でも航空券の審査や精算はANAグループの中でも重要な業務であり、その業務全般に係わるシステムの開発・運用をABSが担当しています。代理店様向けの請求書Web配信サービス『ANA eビリングサービス』もその1つです。

ANA eビリングサービス

※ANA eビリングサービスの構築にあたっては、伊藤忠テクノソリュ-ションズ株式会社とシー・ディ・エス・テクノロジー株式会社の全面的な協力を得ています。

- ANA eビリングサービスの概要について教えて下さい。

ANA eビリングサービスは、約500社の代理店様宛の請求関係書類(26帳票)をPDFファイルにて閲覧できるサービスです。2009年6月より開発に着手し、同年10月に稼働しました(※)。ANA eビリングサービスにおけるPDF出力部分に『FiBridgeII』を採用しました。

ANA eビリングサービスイメージ

導入前の課題

- ANA eビリングサービス構築前は請求業務はどのようにされていたのでしょうか。

従来は紙の請求書を基幹システムから印刷し、代理店様向けに梱包・配送していました。月間の請求書(含明細)発行枚数は4万枚以上となるため、梱包に毎回4~5人のスタッフが作業に携わっていました。また郵送による送付でしたので、請求データが当社に届いてから代理店様に請求書が到着するまで2~3日を要していました。

- 帳票の電子化を図った理由は何だったのでしょうか。

請求書発行から到着までに時間がかかっていたため、代理店様からは、「請求額だけでも早く知りたい」という要望が強くありました。郵送による送付であった事から、遠方の代理店様の場合は請求書の到着から支払いまでの期日が短くなるケースもありました。そのため、請求書発行日の午前中は、代理店様から請求額の問い合わせで、6人のスタッフが電話対応に追われるという状況が続いていました。

4つの導入要件

- 電子帳票システム導入にあたって、どのような要件を考えられましたか。

大きく分けて、次の4つの要件を満たすことが必要だと考えていました。

1.システムの"安定性"と"機能性"の両立


『FiBridgeII』は、他社製品と比べて帳票スプールデータの変換スピードが非常に速く、また圧縮率も抜群でした。基幹システムから生成される請求書データの取り込みからWEBサーバのアップまでを短時間で完了できることが機能要件の1つであり『FiBridgeII』は、問題なく実現できました。
代理店様宛の請求書なので、セキュリティが保たれるものを選択したいと考えていました。独自形式に変換して保管・運用する『FiBridgeII』は、この点も問題ないと判断できました。また変換後の保存データ容量を小さくすることができ、ハード面でのコストを抑えられる点も評価できました。
さらに取り扱うデータが請求書という重要な情報ですので不達という事態は絶対に避けたいということです。システム障害が発生すれば代理店様にご迷惑をかけるだけでなく、債権管理上も問題となります。そこで、システム稼動の安定性に実績ある製品であることも条件でした。

2.利用者にとっての高い操作性の実現


請求書の電子化にあたり、代理店様にヒアリングしたところ、「検索しやすいようにして欲しい」というご要望が多数ありました。そこで、事業所名や事業所コード、日時など代理店様にとって検索しやすいキーが自由に設定できることも重要な要件の一つでした。この点も、利用者ごとの検索キーの設定ができる『FiBridgeII』は条件を満たしていました。また、代理店様の店舗ごとにデータを振り分けられる機能も評価しました。

3.将来の拡張性


請求書以外にも電子化したい紙の帳票は他にもありましたので、将来的にそれらの帳票を電子化するときに一元的に取り扱えるようなシステムの拡張性が高いことも条件でした。『FiBridgeII』はユーザからの要望を踏まえて毎年バージョンアップを行い機能改善している製品ということで、将来性も高く安心できました。

4.コストの抑制


電子帳票システムの導入を検討していた当時、基幹システムからの帳票スプールデータを取り込めたのは『FiBridgeII』だけでした。つまり、基幹システム側に改修を加えることなく費用を抑えて導入できる点を高く評価しました。また当然ながら、今まで紙で運用していた請求書の印刷、仕分け・梱包、配送、保管などのコストが一気に削減できることは費用対効果の面からも重要なポイントでした。
これらの要件をもとに、4社の製品を比較検討し、最も要件を満たしていた『FiBridgeII』を導入することにしました。

5つの導入効果

- 導入効果はいかがですか。

以下のような効果が出ております。

1.処理スピードの向上


電子化されたことで請求書の印刷、梱包、発送が不要となりましたので、請求額を提示するまでの時間が大幅に短縮できました。代理店様が請求額を確認したい時に参照できるので、「電話で確認する必要がなくなった」と大変好評です。

2.入金の早期化


従来は請求書の印刷~発送~到着までの期間を考慮して、入金までの日数に余裕をみておく必要がありました。電子化してからは、その余裕をみる必要がなくなりました。

3.コスト削減


人手による発送作業がなくなったので、印刷費、梱包費、発送にかかるコストに加えて請求書発行当日の電話対応が大幅に減少したことによる人的コストが削減できました。ANAeビリングサービスの導入は、請求業務に関わるコストの削減に大きな効果をもたらしました。

4.誤配信のリスク回避


請求書発行当日に、請求書をファックス送信して欲しいと要望される代理店様もいらっしゃいました。ファックス送信の場合、誤送信リスクが常にありましたが、ANA eビリングサービスを導入することで、当該リスクを回避することができ運用負荷もなくなりました。

5.新たな情報発信ツールとして


新たな情報発信ツールとして、ANA eビリングサービスの機能を利用することで、代理店様へのサービス向上を図ることができたと評価しています。
具体的にはANA eビリングサービスの「お知らせ機能」を使うことで、コストや手間を気にすることなく適切な時期に適切な情報を代理店様に発信できるようになりました。
また、ANA eビリングサービスには代理店様の閲覧チェック機能がついているため、代理店様が確認されたかどうかを把握することができます。閲覧されていない代理店様には、個別に連絡を取るなどにより情報伝達の漏れも防止することができるようになりました。

電子帳票化をスムーズに進めるためのコツ

- 電子帳票システム構築にあたり工夫したところはどこですか。

2点工夫しました。

1つは、請求書データをアップロードしたときに、代理店様が指定するメールアドレスに通知されるようにしたことです。担当者が一人で指定メールアドレスが1つの場合は、担当者が送付日に休んでしまうと代理店様にお伝えできなくなってしまいます。そこで担当者が一人の場合は、代理店様の社内にメーリングリストを作っていただき、必要な方に必要な情報が必ず行き渡るようにしました。

もう1つはセキュリティの強化です。代理店様の利便性を優先しつつセキュリティも考慮する必要がありましたので、お知らせメールにアクセス先のURLが記載されるようにしました。セキュアなサービスとして確立させるため、"IDとパスワード"による認証を必要とし、お客様が個別に設定・管理することにしました。併せて、アクセス先のURLも代理店様ごとに異なるようにしました。

- 電子帳票化をスムーズに進めるためのコツがあれば教えて下さい。

1つは、代理店様が利用しやすいように、代理店様側の利用環境に考慮した仕組みを作り上げました。
例えば、経理担当者のパソコンがインターネットに接続できない環境であったり、代理店様社内の決裁ルール上、請求書を印刷する必要があったり、印刷した請求書には印影が必要だったりと、全く異なった環境やルールに対応する必要がありました。

代理店様ごとに利用環境をヒアリングして、ご要望を満たすようにした結果、代理店の皆様に請求書のWEB配信サービス化をご快諾いただくことができました。

2つ目は、代理店様に新しいサービスのしくみに慣れていただくための移行期間を設定しました。ANA eビリングサービスでは、稼働後3ヶ月は紙と電子データを並行運用していました。そうすることで、代理店様にANA eビリングサービスの操作に慣れて、安心してお使いいただけるようにしました。稼働直後は操作方法に関する質問などが多数発生しましたが、Q&AやオペレーションマニュアルをWEB上に公開することによりお問い合わせは激減しました。

FiBridgeIIへの評価

-FiBridgeIIへの評価を教えて下さい。

ANA eビリングサービスに『FiBridgeII』を採用することで、代理店様の要望が実現できました。結果、代理店様から高く評価されています。現在、代理店様から新たなご要望をいただいており、可能な限り対応していきたいと社内検討しています。また、「ANA eビリングサービスはシンプルで使い勝手のよいサービスなので、自分たちもこのようなシステムを作りたい」と、代理店様から電子帳票システムのモデルとして引合いをいただいております。

今後の取り組みとJFEシステムズへの期待

-今後の取り組みの予定とJFEシステムズに対する期待について教えてください。

今後、さらなる電子化を進めて行く予定ですが、そのためには多様な形式のデータを代理店様に提供できるようにする必要があります。JFEシステムズには、取り扱えるデータ形式をさらに増やしてもらえることを期待しています。
最近では、「経営分析などに使うため、請求書をPDF以外のデータ形式でも提供して欲しい」というご要望を代理店様からいただいています。例えば、csvデータでも提供できるようなサービスで対応したいと考えていますので、技術面でのサポートを JFEシステムズにはお願いしたいと思っています。

- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

大川氏

電子帳票システムのモデルとして、代理店様からの引き合い もあります。
(大川氏)

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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