日本航空株式会社日本航空株式会社 様

取材日:2020年12月

FileVolante(ファイルボランチ)
導入事例

業種
運輸
キーワード
  • 電子帳票
日本航空株式会社

FileVolanteを、メインフレームとオープンシステムの帳票基盤として全社採用しています。旧システムからのデータ移行にはRPAを活用しました

日本航空株式会社 IT企画本部 IT運営企画部 センター基盤グループ マネジャー 川上 孝男 氏、嶋村 章 氏、および株式会社JALインフォテック エアライン事業本部 システム基盤部 メインフレームグループ 主管エンジニア 豊村 政幸 氏、主任スタッフ 中村 笙子 氏にFileVolanteを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

日本航空について

日本航空(以下 JAL)は、日本を代表する航空会社の一つです。年商1兆4112億円(連結2019年度)、従業員数35,653人(連結2020年3月時点)。

FileVolanteを全社的に活用

- JALではFileVolanteをどう活用していますか。

JALではFileVolanteを「全社的な電子帳票システム」として活用しています。会計・販売購買系などの一般的な帳票に加え、航空会社特有の整備情報や運航記録など、あらゆる業務データの帳票基盤となっています。概要は次のとおりです。

帳票基盤概要

FileVolanteは、PDFベースの電子帳票システムです。JALは現在、メインフレームからオープンシステムへと移行を進める過渡期であり、両方のデータ保管が必要です。FileVolanteは、メインフレームかオープンシステムかを意識せずにデータの検索・参照・活用ができ、大変便利です。

現在JALの業務システムは「メインフレーム1割、オープンシステム9割」という構成ですが、2年後をメドに、メインフレームを撤廃し、すべてをオープン化する予定です。そうなった時でもFileVolanteを「オープンシステム用の電子帳票システム」として使い続けていきます。

JALでは、FileVolanteを導入する以前にも、別の電子帳票システムを使っており、今回は乗り換え導入です。その場合、旧システムからの膨大な量のデータ移行が必要になりますが、データ量が膨大であるため、JFEシステムズに「できるだけ円滑に、低コストで移行したい」と相談したところ、「RPAを使いましょう」と提案がありました。その結果、データ移行は、コスト、期間のいずれも当初想定の30分の1でした。また弊社側の人的負担はほぼありませんでした。

川上氏

「メインフレームとオープンシステム、両方の電子帳票を処理しています」
川上 孝男 氏

システム概要図

導入の経緯

- FileVolante導入の経緯を教えてください。

従来の電子帳票システムのサーバが保守期限を迎えることになり、それに合わせ、電子帳票システムも、会社の戦略に合わせて最適の製品を選びなおすのがよい、という結論に到りました。その後、FileVolante、従来システムを含む5製品を比較検討しました。

製品選定の基準

- 各製品をどんな基準(要件)で比較しましたか。

JALグループ全体(含む海外拠点)で使う電子帳票システムを新たに選定するにあたり、求めた要件は次のとおりです。

要件1.「ブラウザベースであること」

JALでは現在、会社全体で「社内システムのブラウザベース化」を推進しており、ブラウザはChromeを指定しています。新たに導入する電子帳票システムには、クライアント管理の負担を軽減できるようブラウザベースであることを求めました。

要件2.「海外版OS(英語)でも使えること」

JALは航空会社という業態上、海外にも多くの拠点があり、電子帳票システムは世界各地で使うことになります。海外で調達されるPCのOSは、英語など海外言語版ですが、新たに導入する電子帳票システムには、そこでも問題なく動作できることを求めました。

嶋村氏

「Chrome対応を重視しました」嶋村 章 氏

要件3.「従来システムと同等(あるいはそれ以上)の基本機能を持つこと」

新たな電子帳票システムでは、ユーザーである現業部門から見て、「以前のシステムで出せていた帳票が、同じように出せること」「以前できていたことは、今回もできること」が必要です。新システムには従来と同等(あるいはそれ以上)の基本機能を持つことを求めました。

要件4.「従来システムからのデータ移行が円滑に行えること」

新システムには従来システムで保管していた帳票データをそっくり移行する必要があります。この移行が、現業部門の業務に影響を与えることなく、短期間で円滑に行えることを求めました。

要件5.「PDFベースであること」

PDFは汎用性の高いデータ形式です。新たな電子帳票システムは、これに対応していることを求めました。

要件6.「操作が容易であること」

現業部門が、旧システムから円滑に乗り換えられるよう、操作が簡単であること、旧システムと同等な機能が利用可能であることを求めました。

要件7.「ログ機能の充実」

誰がいつ、どの帳票にアクセスしたのか、などセキュリティ確保のためのログ情報を容易に検索、取得できることを求めました。

豊村氏

「データ移行が円滑に進むことを求めました」
豊村 政幸 氏

要件8.「実績、価格の合理性」

「メインフレーム」「オープンシステム」「システム移行(データ移行)」、この3点について実績と経験があること、そしてトータルの価格が合理的であることを求めました。

以上、8要件を基準に各製品を精査したところ、FileVolanteが要件を最もよく満たしていたので、これを採用しました。この後、設計、構築を経て、2020年7月に本稼働を開始しました。

FileVolanteへの評価

- これまでを振り返ってのFileVolanteおよびJFEシステムズへの評価をお聞かせください。

今回のシステム更新プロジェクトでは、現業部門の仕事に影響を与えないことが重要でした。現業部門から見て、「え、システム移行があったの?」というぐらい、何事もなく静かに移行が終わることが理想です。しかし、旧システムからの移行のような作業では、「フタを開けてみないと分からない、意外な落とし穴」が生じがちです。今回もLDAPS対応など細かい点で、「突発的な要対応項目」がやはり生じました。

しかしJFEシステムズは、それまで蓄積された経験や知見を生かし、常に落ち着いて的確に解決してくれました。特にRPAの活用が有効でした。JFEシステムズの移行作業は、当初の期待を満たす高品質なものでした。

ユーザーからのアドバイス

- 現在、電子帳票システムの導入(入れ替え)を検討している企業に向け、ユーザーとしてのアドバイスなどあればお聞かせください。

電子帳票システムのような「用途が明確な製品」では、各製品の間で、機能、仕様の際立った違いは生じにくいように感じます。一方、従来システムからの移行作業では、途中、予期しない事態が起こりえます。その突発事態に的確に対応するには、実績、経験、場数が重要になり、この部分は各社間の差が生じえます。電子帳票システムを選定する際は、製品の仕様、機能だけでなく、それを提供する企業の移行、運用の実績に着目するのが良いと考えます。

中村氏

「突発事態への対応力を重視しました」中村 笙子 氏

今後の期待

- JFEシステムズへの今後の期待をお聞かせください。

JALは引き続き、お客さまに選ばれる航空会社としてサービス向上、業務効率化に尽力していく所存です。JFEシステムズには、そうした弊社の企業価値向上の取り組みを電子帳票に関する技術、製品、サポートを通じて支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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