第一生命保険株式会社第一生命保険株式会社 様

取材日:2015年05月

FiBridgeII (ファイブリッジ ツー)
導入事例

業種
保険
キーワード
  • 電子帳票
第一生命保険株式会社

第一生命が全社規模で推進していくために帳票基盤として採用したのはFiBridgeIIでした。

第一生命保険株式会社では、ホスト帳票の電子化を全社規模で推進する基盤として、JFEシステムズのFiBridgeIIを導入しました。全社規模でのホスト帳票電子化に着手した経緯、電子帳票システムの選定基準、紙から電子帳票へのスムーズな移行を実現するために工夫したポイント、移行を終えてのユーザーからの評価、今後の展開について、ITビジネスプロセス企画部 IT基盤グループ IT運用管理課 課長補佐 滝口紀久夫氏、および同課 課長補佐 関川智士氏にお話を伺いました。

統合会計システムにFiBridgeIIを採用

- 第一生命保険ではFiBridgeIIをどう活用していますか。

第一生命保険では2014年より、ホスト帳票の電子化基盤としてFiBridgeIIを活用しています。現在のユーザー数は約6,000名です。

紙から電子帳票への移行は段階的に推進しており、現時点は保険データ等を処理しているメインフレームから出力する事務帳票の約5 割、開発帳票の約8割をFiBridgeII上で運用しています。利用部門としては、現在は本社部門ですが、将来的には支社・営業所まで利用対象を拡大したいと考えています。

年間数千万ページの紙帳票の7割を削減し、大型プリンターの台数も削減

- FiBridgeIIの導入効果を教えてください。

本店(東京)

本店(東京)

FiBridgeIIを導入する前は、保険データを処理しているメインフレームだけで、年間で約数千万ページの帳票を紙で出力していました。

FiBridgeIIの導入により、全出力の7割を削減できました。

これにより、大量出力用に設置されていた大型プリンタも必要台数に絞り、機器のスペックダウンを行う等、コスト削減にも寄与しました。また、紙帳票の印刷・輸送・保管・廃棄に要する諸経費もそれぞれ削減でき、それに付随する事務作業も大幅に効率化できました。

選定のポイントは「堅牢性」「安定性」「移行の容易性」「既存環境との接続性」

- 今回の電子帳票システムの導入経緯を教えてください。

以前より複数の部署で、様々な電子帳票システムを利用していましたが、それらは導入部署の要件に合わせて選定・導入されていました。

今回、大型プリンタの更新時期が近づいてきたのを機に、ホスト帳票の電子化を全社規模で推進することが決まり、全社規模での運用に耐えうる電子帳票システム基盤の選定を行うこととなりました。

検討対象となったのは、システムインテグレーター数社から提案された複数の製品でした。選定にあたっては4つの要件を重視しました。

滝口氏

「弊社の大規模運用に耐える電子帳票基盤を、最小限の開発で構築できる製品を選びました」(滝口氏)

要件1)「堅牢性」

お客様のプライバシーに関わる情報を大量に扱う関係上、アクセス制御や証跡管理など当社のセキュリティ要件は非常に高く、それをクリアできるかどうかは一番、重要視しました。この点に関しては、FiBridgeIIを含め、全てが当社の要求水準を満たしていました。

要件2)「安定性(信頼性)」

出力帳票数が年間数千万ページに及び、第1段階として移行する本社部門だけでもユーザー数が約6千人、支社・営業オフィスまで利用を拡大した暁にはユーザー数が1万人を超える大規模システムになるため、その運用に耐えうる高い安定性(信頼性)を求めました。

要件3)「移行の容易性」

「移行の容易性」とは電子帳票システムの導入によって変更される業務フローに対して、ユーザーがどれだけストレスなく移行できるかということです。具体的には「ユーザーが紙帳票で行っていた作業を、システム上でどこまで再現できるか」、「 ユーザーの業務遂行を補助する機能をどこまで標準機能として提供できるか」等です。この点に関してはユーザインターフェイスの部分も多く、各社の提案に差がありました。

要件4)「既存環境との接続性」

当社では複数のメーカーのメインフレームを使用しており、その上でそれぞれ独自のシステム形式で帳票を出力しています。これらの各形式への対応を極力標準機能で対応できることを求めました。

FiBridgeIIは全ての要件を満たしていました

- 最終的にFiBridgeIIを採用した理由を教えてください。

採用した理由は単純明快、前述の要件を全て満たしていたからです。特に要件2)3)4)に関して他のシステムに比べて高い優位性がありました。

まずは、要件2)の「安定性(信頼性)」ですが、FiBridgeIIは電子帳票システムとして7年連続シェア1位(*1)の実績があり、金融機関で導入実績も豊富でしたので、安定性(信頼性)の観点からすると、大規模運用になる弊社の電子帳票基盤として採用する上で大きな安心材料になりました。

次に、要件3)の「移行の容易性」についてですが、ユーザの業務遂行を補助する様々な機能、例えば、従来の紙帳票での業務の中で使われていた「付箋」や「マーカー」といった道具的なものもFiBridgeIIでは電子的ツールとして標準で提供されていました。既存の業務の流れを大きく変えることなく移行できるかどうかはユーザー部門の協力を得る為には必要不可欠な要件でした。

要件4)の「既存環境との接続性」については、FiBridgeIIはメインフレームで稼働している複数の帳票出力システムのいずれにも標準で対応しており、既存アプリケーション側の修正がほとんど不要でした。これは開発工数の削減の面でも、稼働後の障害発生リスクの抑制の面でも非常に有利でした。

その他にも、「サーバー構成が一番シンプルだった」という事も高い評価ポイントでした。

前述の安定性(信頼性)の要因にもなりますが、検討した電子帳票システムの中には、様々なサーバーを設置する必要のある製品もありました。サーバーが増えれば保守運用費用も増大します。FiBridgeIIは、比較検討した中では最もシンプルな構成で稼働する電子帳票システムでした。

*1:2007-2013年度実績(金額 2007-2011年度、数量 2009-2013年度)株式会社富士キメラ総研「パッケージソリューション・マーケティング便覧」「ソフトウェアビジネス新市場」より

企画段階から用意周到に

- ユーザーに電子帳票をスムースに浸透させるために、どのような工夫をしましたか。

まず順序として、先に足元の開発帳票の電子化に取り組み、その経験を踏まえて事務帳票の電子化に取り組みました。

また、事務フローを大きく変えなければ電子化できない帳票については、初回の電子化の対象から外しました。

さらに企画段階から各拠点に出向き、ユーザーへのヒアリングと説明を丁寧に行いました。ユーザーの要望はできるだけ採用する一方で、できないことはできないと事前に説明し理解を得るようにしました。

- 導入後、ユーザーの反応はいかがでしたか。

企画の段階では、帳票電子化による事務効率の低下を懸念するユーザーが少なくありませんでした。しかし実際に移行してみると、好意的な評価が圧倒的になりました。導入前は懐疑的だったユーザーからも、「次はこの帳票を電子化してほしい」という積極的な要望が寄せられるようになりました。

  • 「必要な帳票やデータが瞬時に見つかる」
  • 「作業のたびに帳票を取りに行ったり戻したりしなくて済む」
  • 「複数の担当者によるチェックが同時進行でできる」
  • 「紛失や配布ミスがないように緊張しながら帳票を持ち運んだり渡したりしなくて済む」
関川氏

『電子帳票に移行してよかった』という声が、ユーザーから多数寄せられています」(関川氏)

など、実際に移行して実感できた電子帳票のメリットは多かったようです。長年の事務作業を見直す良いきっかけにもなりました。

ホスト系・オープン系の両方を熟知した技術者からの支援

- 導入を担当したNTTデータへの評価をお聞かせください。

NTTデータは以前から第一生命保険のホスト系・オープン系両方のシステム開発に携わってもらっており、今回のFiBridgeII導入に際してもシステム基盤を熟知した技術者が設計・開発に携わってくれました。大規模運用に耐えうる電子帳票システムを、ホストシステムへの影響を最小限に抑えつつ、シンプルな構成で構築できた要因には、FiBridgeIIの製品としての優良さだけでなく、NTTデータの技術力の高さもあったと評価しています。

導入作業途中での細かい追加開発にも柔軟に対応していただきながら、権限体系や帳票階層構造の整理・調整を含めて、9ヶ月という短い納期で基盤構築を完了していただけたことも、感謝しています。

各拠点のユーザーへの事前説明にも、JFEシステムズと共に同行していただき助かりました。

今後の展開

- ユーザーに電子帳票をスムースに浸透させるために、どのような工夫をしましたか。

現在、次のステップとして事務フローの若干の変更で電子化が可能な社内帳票の電子化に取り組み始めています。引き続き協力をよろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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