日立キャピタル株式会社(現:三菱HCキャピタル株式会社)日立キャピタル株式会社(現:三菱HCキャピタル株式会社) 様

取材日:2006年05月

FiBridgeII (ファイブリッジ ツー)
導入事例

業種
その他金融
キーワード
  • 電子帳票
日立キャピタル株式会社(現:三菱HCキャピタル株式会社)

年間1,192万8,000円のコスト削減を実現しました。
また「システム肥大化を防ぐための本質的なコスト削減」についてもすでに筋道がみえています。

FiBridgeIIの導入・維持トータルコストが月間192万3000円。コスト削減額が月間291万7000円。差し引きで月々99万4000円(年間1,192万8,000円)のコスト削減。これが日立キャピタルのFiBridgeII導入効果である。そうした試算の詳細や、個人情報保護法、日本版SOX法対策に関する効果などについて、情報システム部門の小林伸行氏(写真左)と、内田雄一氏(写真右)に聞いた。

導入背景

導入効果―月々99万4000円の帳票コスト削減

- 日立キャピタルにおけるFiBridgeIIの導入効果について伺わせてください。

まずコスト面で言えば、FiBridgeIIの導入・維持のトータルコストが月々192万3000円、導入によるコスト削減が月々291万7000円なので、相殺して月間99万4000円。年間で1,192万8000円のコスト削減が果たせたことになります。また、将来には「本質的なコスト削減」が期待できます。これらの試算の根拠と本質的なコスト削減の詳細については、後ほど詳しくご説明いたします。

日立キャピタルはなぜ電子帳票を行うと決めたか。

- 日立キャピタルが帳票の電子化に取り組むようになった理由は何でしょうか。

「個人情報保護法」と「ペーパーレス」という2つのキーワードがポイントになりました。

個人情報保護法に関しては、日立キャピタルが保有するクレジット販売の情報は住所氏名から購買履歴にいたるまで詳細に記述されたきわめてシビアな個人情報であり、これらの安全保管が重要な課題でした。個人情報保護と電子帳票の関係で言えば、一番のポイントは紛失のリスクをなくすことにつきるでしょう。

帳票の紛失リスクの軽減には以前から気を遣っていました。例えば車による帳票の輸送においては、輸送車を特注して帳票を入れるアルミの箱を車と一体化させることで物理的な持ち去りを防ぎ、さらに鍵は運転手には持たせないことにしました。こうすれば帳票の持ち去りリスクはほぼなくなります。しかしここまでやっても紙という物理的実体がある以上、「何らかの場面で紛失するリスク」はゼロとは言い切れません。

そこで、紙帳票の出力をやめて電子帳票化すれば紛失のリスクもなくなるしペーパーレスも実現できるのではないか、という考えに至りました。そして2004年初め頃各社の製品の比較検討を始めたのです。

導入ポイント

どういう基準で各製品を比較検討したか

- 各社の製品をどのような基準で比較検討したのでしょうか。

ポイントを重要な順に並べると以下のようになります。

  1. 性能(検索・変換スピード)
  2. 運用の簡単さ
  3. セキュリティ
  4. アプリケーションの集中管理を実現するCitrix Presentation Server、紙出力の仕分けを行うA-Spoolといった既存システムとの相性
  5. 操作の容易さ
  6. 実績

これら諸条件において、特に検索・変換スピード、既存システムとの相性でFiBridgeIIが優れていたことが選定の理由となりました。

導入後の効果

69,876ページ(1.58GB)のプリントデータを181秒(業務環境での実現値)で電子帳票化

- なぜ性能(検索・変換スピード)が最も重要な比較ポイントになるのでしょうか?

クレジット業務においては検索スピードは非常に重要です。イメージで表現すれば「オペレータがお客様から電話で問い合わせを受け、電話をしながらデータ検索をしても、お客様をイライラさせない程度のスピード」が求められます。

FiBridgeIIですが、まず検索スピードについては、システムの体感速度に厳しい現場オペレータからも苦情はまったくありませんでした。

さらに帳票の変換スピードですが、クレジット会社における最も基本的な帳票「固定資産減価償却計算書」において、業務環境での実現値で69,876ページ(1.58GB)を181秒で変換できた例があります。このスピードが、カタログ値でも試験環境値でもなく、実際の業務の中で出せたことを高く評価しています。

内田雄一 氏

業務環境において、1.58GBを181秒で変換できました
(内田氏)

毎月の組織変更にFiBridgeIIをどう対応させたか

- 次に「運用の容易さ」について具体的に伺わせてください。

最大のポイントは、日立キャピタルの「頻繁な組織変更」への対応でした。弊社では異動、組織変更が毎月のようにあります。ということは、電子帳票の利用権限、参照権限も毎月変更できなければなりません。

そこでホストコンピュータ内の社員マスターから、ユーザー権限に関する情報をFiBridgeIIに展開するという方式をとりました。今回のプロジェクトの成功要因として、メーカーであるJFEシステムズと複数のインテグレータがよく連携できたことも挙げられます。

ホストーFibridgeII間の職制マスターの連携

ホストーFibridgeII間の職制マスターの連携、ユーザー権限の展開などについて日立情報システムが基幹システムとの連携プログラムを作成

利用履歴の把握と利用権限の定義をどう実現したか

- 「セキュリティ」と「周辺システム」について伺わせてください。

セキュリティについては、利用者の操作履歴把握と利用者ごとの利用権限定義の2つを実現したいと考えました。

利用者の操作履歴の把握というのは、いつ、どのような検索をして、何をアウトプットしたのか」、という利用者ごとのログを明確に記録したいと考えました。

利用者ごとの利用権限の定義というのは、利用者ごとに、「データを見て良いか」、「どこまでの操作を行って良いか」を定義したい、利用者ごとに参照できる帳票を分けたい、と考えました。

利用履歴については、FiBridgeIIの基本機能で実現できました。利用権限の定義については、ホストコンピュータの社員マスターとの連携が必要になります。この部分も先述した組織変更への対応の時と同様に、インテグレータに「連携プログラム」を作成いただき、実現しました。

既存システムの活用と操作性を両立

- 既存システムCitrix Presentation Server、A-Spoolとの相性についてはいかがでしょうか。

弊社ではCitrix Presentation Serverを使って、一種の「疑似シンクライアント」を実現しています。Citrix Presentation Serverへの対応は絶対条件でした。FiBridgeIIは比較検討した製品の中で唯一、「Web版、EXE版クライアントともに対応している製品」でした。

この他、帳票仕分けソフトA-Spoolとの相性も既存のシステム資産を活かしつつシステム構築を行うにあたって重要でしたが、これも仕様、実績ともにクリアしていました。

- 操作の容易さについて伺わせてください。

いくら便利であっても、操作が難しいソフトでは教育コストがかかります。しかしFiBridgeIIは、直感的に操作できてよいと思います。WordやExcelが使える人なら、誰でもすぐに慣れることができるでしょう。

群を抜いていたFiBridgeIIの実績

- 次のポイント「実績」については。

これはFiBridgeIIが抜群でした。比較3社のうち1社は実績10数社、もう1社は300社、しかしFiBridgeIIは1000社以上と桁が違っていました。

FiBridgeIIを導入して、何がよくなったか

- FiBridgeIIの導入効果についてはいかがでしょうか。

導入効果は以下の4つに大別できます。

  1. ペーパーレス化の前進
  2. 個人情報保護法、日本版SOX法への対策の前進
  3. 月々のコストの削減
  4. 将来に期待される本質的なコスト削減

帳票保存用のCOM(Computer Output Microfilm)全廃。
MO(光磁気ディスク)ほぼ全廃。ペーパーレス化の具体的な前進。

- ペーパーレス化の前進について具体的に伺わせてください。

現在、877帳票が電子帳票化されました。これにともない今まで帳票を保管していた媒体であるCOMは「完全廃止」、MOは一部の提携先を除き「ほぼ廃止」という成果が出ています。それに付随して、以下の効果が現れました。

  1. 媒体の移動に伴う紛失リスクや漏洩の危険が大幅に減少
  2. 印刷自体にかかるコストおよび保管や印刷、搬送コストの削減
  3. 情報提供スピードの高速化

個人情報保護法、日本版SOX法対策がどう前進したか

- 個人情報保護法、日本版SOX法への対策についてはいかがでしょう。

FiBridgeIIの導入により、帳票データの一元管理、利用履歴の把握、COM、MOなど物理媒体の撤廃が実現しました。つまり帳票データの「データ・ガバナンス(コントロール可能度)」が高まりました。データ・ガバナンスが高まれば、個人情報漏洩の危険も減り、また社内の内部統制を目指す日本版SOX法への対応も自然に強化されます。

コスト削減の費目別試算

- 月々のコスト削減効果についてはどのように試算されたのでしょうか?

コスト削減効果については、以下のように試算しました。

  • FiBridgeIIによるコスト削減効果とFiBridgeII導入・運用コストの対比
    (導入コストは規定償却年数に合わせ月割。ハードウェア含む。)
コスト削減効果 導入・運用コスト
メディア作成費用:104万7,000円
プリント費用:82万円
帳票に関わる運用費:105万円
初期費用:77万7,000円
保守料など運用費:114万6,000円
小計291万7,000円 小計192万3,000円

つまりFiBridgeIIの導入・運用に関わるコストを月ごとに換算すると192万3,000円。コスト削減額が月々291万7,000円なので、月間で99万4,000円、年間では1,192万8,000円のコスト削減が果たせる試算となります。

今後の展開

「将来に期待される本質的コスト削減」とは何か

- 将来において期待される本質的なコスト削減とは、どのような効果でしょうか。

具体的には以下の効果を期待しています。

  1. FiBridgeII導入により、各帳票の使用頻度が明確に把握できるようになる。
  2. 帳票使用頻度の明確化により、「不要帳票のあぶりだし」ができるようになる。帳票の中には、「必要だと言われていながら、実は一年以上誰も活用しない帳票」があるかもしれない。
  3. そうした不要帳票を撤廃することで「帳票のスリム化」が実現できれば、帳票出力に関わるシステムの肥大化が防げる。
  4. こうして「帳票のスリム化」、「贅肉をそぎ落とした、筋肉質の帳票構成」が実現できれば、システムの肥大化が防げる。
  5. システムの肥大化によるコストは、表面からは把握しにくいが実は莫大な額である。これを未然に防げる効果は「本質的なコスト削減」と呼んでも言い過ぎではない。

不要帳票の追放は、FiBridgeII導入より前にも何度も試みてきましたが、十分ではありませんでした。その理由は、「各帳票の使用頻度の明確な把握」ができなかったからです。帳票が印刷され、バインダーにとじられてしまうと、いかにも必要不可欠に見えます。
このような状況では、どれが本当に必要な帳票かを把握することはとても難しいのです。

しかしFiBridgeIIの導入で「使用頻度の明確な把握」ができるようになりました。今度こそ帳票のスリム化は実現できるでしょう。道筋ははっきり見えています。

小林伸行 氏

電子帳票でシステム肥大化が防げる。機械屋としてはそこが嬉しい
(小林氏)

今後のJFEシステムズへの期待

- 今後、JFEシステムズに対してご意見ご要望などあればお知らせください。

今回のFiBridgeII導入により、日立キャピタルの長年の懸案であったペーパーレス化が大きく前進いたしました。また月々99万円のコスト削減、将来の本質的コスト削減、そして個人情報保護や日本版SOX法への対策なども大きく前進し、嬉しく思っています。今後も優れた技術を継続開発し、弊社の取り組みを下支えしてください。期待しています。

- 本日は、貴重なお話をありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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