株式会社タイカ株式会社タイカ 様

取材日:2025年03月

J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)
導入事例

業種
化学素材
キーワード
  • 原価管理
株式会社タイカ

J-CCOREsを採用することで2時間かかっていた原価計算が2分で終わり、費目・材料・製品・顧客別の細かい分析もできるようになりました。

スポーツシューズの衝撃吸収材やボールペンのグリップ、カバンの肩ひもなど、幅広い製品に使われているαGEL(アルファゲル)で有名な株式会社タイカ(以下、タイカ)。同社は、原価管理システムのリプレースにあたってJ-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)を採用されました。その経緯と効果について、同社 ICT戦略推進室 室長 魚屋 将 氏(写真中央左)、同室 課長 瀬尾 竹蔵 氏(写真左から2人目)、同室 協力会社在籍 太田 広希 氏(写真左端)、同室 協力会社在籍 鶴野 雅利 氏(写真右端)、同室 協力会社在籍 上杉 秀一 氏(写真右から2人目)、コーポレートサポート本部 財務部 部長 新岡 則之 氏(写真中央)、同部 担当課長 佐藤 充成 氏(写真中央右)、コーポレートサポート本部 常陸那珂工場 業務部 担当課長 上野 圭子 氏、同部 担当課長 石川 隆宏 氏にお話を伺いました。

タイカの業態

- タイカの業態について教えてください。

タイカは多機能素材事業、ウエルネス事業、曲面印刷事業の3つの事業を行っています。
多機能素材事業では、タイカが開発したゲル状素材であるαGELを活用した製品作りを行っています。αGELは高さ18mから生卵を落としても割れない衝撃吸収力があり、40年近くにわたってスポーツシューズの衝撃吸収材に採用されています。αGELには衝撃吸収以外にも、振動制御、熱制御、光学接着、触覚表現、防水・防塵などの特性があり、それを生かしてスポーツ用品、文具、カバン、自動車、精密機器など、幅広い製品に採用されています。
ウエルネス事業では、床ずれ防止の介護用マットレスなどの介護・福祉用品、防災用キャップなどの防災・災害対策用品、機能性寝具用品を展開しています。
曲面印刷事業では独自の技術で複雑な形状への印刷を行っており、自動車の内外装を中心に生活家電、インテリアなど幅広い分野で採用されています。

【αGELを活用した防振材 インシュレーター】

タイカの製品紹介

J-CCOREsの活用法
~原価計算とさまざまな原価分析に活用

- J-CCOREsをどのように活用されていますか。

タイカではJ-CCOREsのベースモジュール + 実際原価計算モジュール + 損益計算オプションを導入しています。2023年1月にJFEシステムズでのJ-CCOREsパッケージ導入作業を開始。3カ月間並行して、タイカ主体でETLツールを活用して周辺システムとのインターフェース構築・連携テストを実施しました。その後、6カ月間の運用テストを経て、2023年10月から本稼働させています。
現在、計24人のユーザーが本社(東京)と茨城、静岡、愛知の各工場でJ-CCOREsを活用して、原価計算を中心に原価のさまざまな分析を行っています。

【システム概要図】

システム概要図

J-CCOREs導入の経緯

- J-CCOREs導入前の原価計算はどのようにされていましたか。

以前は1 0 年ほど前に導入した原価管理システムを使っていました。その中で、以下のような問題が生じていました。

1.原価管理システムの保守期限切れ

原価管理システムの保守期間終了日が迫っており、さらに後継のシステム・バージョンも出ないとのことで、早急に新しいシステムにリプレースする必要がありました。

2.原価管理システムの老朽化

原価管理システムの老朽化に伴い計算時間が長くなっており、月次での実際原価を1回計算させるのに2時間程度かかりました。また、1回ですべて正しく計算できることはなく、エラーを潰すために複数回計算させる必要がありました。そのため原価計算を行う日は、朝から原価計算を始めても夜10時まで残業することが普通になっていました。1日で終わらないこともあり、翌日も原価計算を行う場合もありました。また、原価管理システムのソフトだけでなくハード(サーバ)も老朽化しており、故障リスクが高くなっていました。

魚屋氏 「当初は本稼働まで12カ月かかると見込んでいましたが、JFEシステムズは期間短縮の提案をしてくれ、3カ月前倒しで稼働できました」(魚屋氏)

3.ブラックボックス化

導入から期間が経過し、原価計算の考え方や背景を知っている者がいなくなり、計算方法がブラックボックス化していました。また、原価の内訳としては材料費、外注費、経費のみが出力され、さらにその内訳を把握することができませんでした。

4.属人化

3のブラックボックス化と関係しますが、例えば、経費に占める労務費を算出するにあたっては、マクロから推測した基準を作って計算していました。その基準が属人化しており、社内でも共有ができていない状況にありました。

5.製造側の視点がなかった

会計監査の視点で構築されたシステムだったため、財務会計として最低限必要な計算はできるのですが、管理会計や製造の視点がなく、製品一単位の原価等、原価の詳細を把握することはできない仕組みとなっていました。

これらの課題を解決するため、原価管理システムをリプレースすることにしました。

システム選定の要件
~基幹システムとの親和性が高く、短期間で導入できるシステムを希望

- どのような条件でRFPを提示されましたか。

以下の5つの条件を提示しました。

1.他システムとの親和性

基幹システムなどの他システムに依存せずにデータが連携できることを条件としました。

2.短期間で導入可能なシステム

当時運用していた原価管理システムの保守期間のリミットがあったため、短期間で導入できるシステムを選ぶ必要がありました。

3.導入コストを抑えられること

全社のシステム刷新プロジェクトの関係で、原価管理システムの予算を抑える必要がありました。そのため低コストで導入できることが重要でした。

瀬尾氏 「ベンダーのプレゼンテーションにはユーザー部門も参加して、UIや使い易さを評価しました」(瀬尾氏)

4. 現行業務と整合性をとりつつ業務の標準化を図れること

現行業務と同じ原価管理ができるだけでなく、長く使い続けるためにブラックボックスをなくして属人化する余地をなくし、業務を標準化できることが必須でした。

5. 低価法で棚卸評価できる機能が実装されていること

期末に低価法による棚卸評価を行っていますが、従来は製品の在庫単価と売価を比較し、売価が低ければ棚卸評価額を切り下げることを手作業で行っていましたが、負荷が大きかったため、これも自動化したいと考えました。そこで低価法で評価できることも条件としました。

これらの条件でベンダーにRFPを提示し、3社にプレゼンテーションをしてもらいました。評価する項目を点数化し、合計点が最も高かったJ-CCOREsを採用することにしました。

新岡氏 「従来、低価法による棚卸評価の作業は全て手作業だったため、新システムでは自動化したいと考えました」(新岡氏)

- J-CCOREsのどのような点をご評価いただいたのでしょうか。

J-CCOREsはタイカが必要とする機能が標準機能として実装されており、短期間、低コストでの導入が実現できると判断しました。
また、JFEシステムズの対応も評価しています。レスポンスはベンダーの中で最も早く、また、プレゼンテーションも優れており、安心して付き合っていけるベンダーだと判断しました。

導入効果
~原価計算の精度が向上し、製造部門からの問題提起もできるように

- J-CCOREsの導入効果について教えてください。

以下の4つの効果を実感しております。

1.原価計算の負荷が低減

旧システムでは原価計算するのに1回につき2時間かかっていましたが、J-CCOREsは2分で終わるため、複数回計算しても10分程度で済み、残業をする必要もなくなりました。また、低価法の計算も自動で行えるようになり、従来は2日かかっていた作業も気が付けば終わっています。

2.原価計算の精度が向上

従来の原価管理システムでは、エラーデータを誤って取り込んだ場合でもエラーが出ず、そのまま原価計算をしてしまっていたことがありました。
J-CCOREsでは、エラーデータを取り込んだ場合はエラーを確認可能なため、すぐに修正することができます。従来の原価計算は精度が低かったことに気付かされました。

佐藤氏 「検証期間では、旧システムとJ-CCOREsの計算結果の差異を潰す作業を行いました」(佐藤氏)

3.細かい分析ができるようになった

ドリルダウンして細かい情報がとれるようになったため、より精度の高い分析も容易に行えるようになりました。例えば、不採算の製品について、原価割れしている要因を簡単に特定できます。誰がやっても同じ数値なので、安心して分析することができます。

4. 製造部門から提案ができるようになった

3と関係しますが、費目別、材料別の分析だけでなく、製品別、顧客別の分析・比較も可能となりました。例えば、原材料費が値上がりしたときの影響を製品毎、顧客毎に計算できるので、それを活用して顧客毎に必要な値上げ幅を営業部門に提案したり、不採算の製品についての問題提起をしたりと、製造部門から提案ができるようになりました。 

上野氏 「営業部門が必要なデータを自らJ-CCOREsから抽出して使える仕組みを作り、やり方を覚えてもらうために勉強会も開きました」(上野氏)

原価管理システムの導入を検討している企業へのアドバイス

― これから原価管理システムを導入しようとしている企業に何かアドバイスがあればお願いします。

J-CCOREs導入の際に、原価管理システムに触れたことのない若手社員をプロジェクト初期から参加させました。これによってシステム導入の際に情報の棚卸ができ、次の世代への継承が進んだと考えています。原価管理システムに限らず長期間使うシステムを導入する際は、若手社員を加えることを考慮されると良いのではないかと思います。

JFEシステムズのサポートと今後の期待

― JFEシステムズのサポートはいかがでしたか。

JFEシステムズはコミュニケーション能力が高く、それが手厚いサポートにつながっています。例えば、私たちの原価計算の理解度向上のため、頻繁に対面ミーティングを開催して原価計算の基礎を教えてくれたり、理解しやすいようにとタイカの計算ロジックや費目に落とし込んだ資料を提供してくれたりしました。さらに、実現したいことを漠然としたイメージで伝えても、具体的な形に落とし込んだ提案や利用者の視点でのサポートをしてくれて大変助かりました。

― 今後の取り組みのご予定を教えてください。

まだJ-CCOREsの全ての機能を使い切れていないので、他社の事例などを参考に十二分に活用できるようにしたいと思っています。また、営業部門が原価データを取得・活用できる仕組みを作り営業活動に活用してもらっていますが、今後も業務部門以外でのデータ活用の場を広げていきたいと考えています。

石川氏 「これまで原価管理システムに触れたことがなかったので、リプレースの際に情報を整理して教えてもらいました」(石川氏)

― JFEシステムズに対する今後の期待を教えてください。

JFEシステムズは私たちの視点で物事を考え、提案してくれるので、本当に助かっています。おかげさまで想定より早く本稼働にこぎ着けられ、稼働後も障害発生はありません。JFEシステムズには、J-CCOREsにとどまらずさまざまなソリューションを提案してもらいたいと思います。今後もよろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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