積水化学工業株式会社積水化学工業株式会社 様

取材日:2020年08月

J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)
導入事例

業種
化学素材
キーワード
  • 原価管理
積水化学工業株式会社

積水化学工業 環境・ライフラインカンパニーでは、J-CCOREsを横展開し、効率的に各工場の原価管理システムを統一。
工場間の製品原価の分析精度が向上しました。

大手樹脂加工メーカーの積水化学工業株式会社(以下、積水化学工業)環境・ライフラインカンパニーでは、J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)を導入し、工場の原価管理システムを刷新されました。その経緯と効果について、環境・ライフラインカンパニー 経営管理部 管理グループ長 武本 浩揮氏、同管理グループ 部長 渡部 辰宣氏、同情報システム担当 課長 岩村 健司氏、技術・CS部 生産戦略グループ 竹原 潔氏に詳しくお話を伺いました。

積水化学工業
環境・ライフラインカンパニーの事業概要

- 積水化学工業 環境・ライフラインカンパニーの事業内容について教えて下さい。

積水化学工業は、住・社会のインフラ創造とケミカルソリューションの領域において、「住宅」「環境・ライフライン」「高機能プラスチックス」の3つのカンパニーによる事業を展開しています。

従業員数は27,003名、売上高は1,129,254百万円(ともに2020年3月期連結ベース)です。

我々は、環境・ライフラインカンパニーで、パイプシステムを軸に培った豊富な技術やノウハウ、幅広い製品の提供を通じて、安心・安全なライフラインや水環境づくりに貢献しています。具体的には、住宅や商業ビルなどに用いる給排水管や空調配管、工場向けのバルブや高機能管、上下水道、農業、電気、ガスなど社会インフラ向けの配管材、社会問題となっているインフラ老朽化対策の補修、更生、更新工法用資材や、災害用マンホールトイレなどの防災製品を提供しています。

積水化学工業株式会社社屋

J-CCOREsで原価管理システムを刷新

- J-CCOREsはどのように活用されていますか。

環境・ライフラインカンパニーでは、J-CCOREsの計画原価計算モジュール、実際原価計算モジュール、差異分析オプション、所要量展開オプション、シミュレーションオプションを導入しています。既に7工場で稼働させており、現在、1工場について導入作業中です。

原価管理の対象は工場によって異なりますが、大きく分けて品番と商品分類の2つがあり、品番管理の場合は3~4万点、商品分類管理の場合は2000~3000点あります。

これまでは、各工場の計画・実績の管理メッシュの違いにより、比較分析に頭を悩ますこともありましたが、今回J-CCOREsを導入したことで、管理メッシュを使い分けたカンパニー共通の原価管理を実現しようとしています。

武本氏

「導入前に経理担当者を集めてプロジェクトチームを作り、課題を持ち寄って仕様決めしました」
(武本氏)

当社の原価管理運用は、費用配賦と差異分析にこだわりをもっており、J-CCOREsの豊富な配賦機能や差異分析機能をベースに、当社向けにカスタマイズを行いました。特に、差異分析機能では、様々な切り口でのデータ照会が可能となったことで、これまで商品分類単位だけの粗い差異分析だけでは構成差を捉えづらかった品番単位での差異分析も可能となり、細かい構成差の把握ができるようになりました。

システム概要図

J-CCOREs導入前の課題
~属人化により、引き継ぎに時間がかかっていた

- J-CCOREs導入前の原価管理はどのようにされていましたか。

半数の工場では、コーポレート(統括部門)が用意した統一様式のエクセルを用いて管理していましたが、残りの半数は、工場ごとに特化した独自ロジックのエクセルで管理していました。そのため、以下の2つの問題が生じていました。

1.原価管理が工場ごとに属人化していた

独自の仕組みで管理している工場では原価管理が属人化しており、非常に作業負荷が高くなっていました。異動してきた新任の担当者は、その工場の計算方法に慣れるのに1~2か月かかってしまい、効率があまりよくありませんでした。そのため工場間で人員のローテーションがしづらいといった弊害がありました。

2.カンパニー全体での原価管理がタイムリーに行えない

従来、連結月次決算は行っていたものの、各工場の原価計算の結果を一元管理し、網羅的に把握して分析する仕組みがなく、カンパニー全体の原価管理をタイムリーに行うことが難しい状態でした。

以上の課題を解決するため、各工場の原価管理システムを刷新し、統一することにしました。

渡部氏

「次は実績原価のタイムリーな把握を全工場で安定して実現できるようにしたいと考えています」
(渡部氏)

導入の要件
~既存のインプットシステムとの連携ができること

- どのような要件で原価管理システムを選定されましたか。

1.既存のインプットシステムと連携できること

原価管理は、伝票入力のインプット面と計算実績を把握し分析するアウトプット面に分けることができます。当社では、インプットの仕組みは既に体系化されたものがありましたので、それと連携ができるアウトプットに特化したシステムを条件にしました。

2.統合的な予実管理ができること

各工場の原価情報をカンパニーで活用するためには、ひとつの仕組みの中で予算から実績まで把握し、分析することが必要となります。これらを統合的に行えるシステムを導入するつもりでした。

これらの条件で3製品を検討し、最終的にJ-CCOREsに決定しました。

- J-CCOREsを選ばれた理由について教えて下さい。

J-CCOREsは、上記の選定条件を最も満たしていました。また、J-CCOREsは、当社の高機能プラスチックスカンパニーで先行導入されており、工場ごとにバラバラだった原価管理を統一化した効果をコーポレートから聞いていました。環境・ライフラインカンパニーの原価計算は、高機能プラスチックスカンパニーとほぼ同じ考え方であり、導入効果の期待が持てました。

実際に高機能プラスチックスカンパニーが使用している機能のまま、環境・ライフラインカンパニーの2工場でプロトタイプ計算を行ったところ、プロセス製造業にフィットした親和性の高い計算エンジンで、汎用性もかなり高いパッケージであることが分かりました。

また、月次の実績データ連携についても、高機能プラスチックスカンパニーでの仕組み、考え方、ノウハウを横展開できるということもプラスの判断材料でした。

- スムーズに導入するためにどのような工夫をされましたか。

カンパニー全体で、3期に分けて段階的に導入することで効率化を図りました。まず、第1期で懸念となる点を洗い出して解決し、2期以降の導入工数を削減して導入がスムーズに進められるようにしました。環境・ライフラインカンパニーでは、加工残原料を粉砕して再利用するなど、高機能プラスチックスカンパニーとは違った原料管理を行っています。高機能プラスチックスカンパニーとの異同を把握し、正確な要件定義を行うよう努めました。

その中でも工夫したのは、要件定義の進め方でした。各工場の要件を同時にヒアリングすると、意見集約のために調整時間を要してしまうことが危惧されました。そこで、まずパイロット工場を決めて、その工場の生産フローや原価計算メッシュ等の情報を基にした検討を行って軸を固めました。それを他の工場へ展開して最終調整を進めていきました。そうすることで、要件定義をスムーズに進めることができ、重大な要件漏れもなく、システム導入を進めることができました。

岩村氏

「全社のDX推進にあたって、J-CCOREsを活用できるよう検討を進めています」(岩村氏)

また、本稼働前に半年間のテスト運用を設け、不足している機能やマスタの整備も行いました。それなりの期間を有して臨んだつもりでしたが、第1期では、連携する他のシステム調整がうまくいかず、1カ月分の計算に2か月かかってしまうという事態が発生しました。そこで、我々、経営管理部も各工場のフォローを強化して情報を整理すると共に、JFEシステムズにも積極的な後方支援をしてもらいました。その後、数ヶ月の改修作業を経て、月次の実績運用を目標通りにすることができました。

第2期では、その経験を踏まえ、J-CCOREsの知見だけでなく、テスト運用で時間を要するポイントなどを工場に対して的確に指示、フォローすることができました。その結果、1ヶ月分の計算にかかる目標値をクリアし、(調整前の状態で)長くかかった工場で1週間程度、短い工場では1日弱~2日程度で終わらせることができました。

導入効果
~カンパニー全体で年間500時間を削減

- J-CCOREsを導入して、どのような効果がありましたか。

1.計画原価作成の時間削減

原価計算の再計算がやりやすくなり、また、マスタや諸元データが一括登録できるようになったこともあって、計画原価作成にかかっていた時間がカンパニー全体で年間500時間程度削減できる見込みです。J-CCOREs導入にあたって立てていた削減目標は290時間でしたので、目標の1.7倍以上の効果が見込めることになります。

2.予実の精度向上と工場間の原価比較を実現

原価計算の仕組みを工場間で統一できたため、予算に対する実績の精度が向上しました。 また、同じ製品を製造している複数の工場間で、従来はできなかった製品原価の比較を容易にできるようになりました。

3.計算結果の可視化

事業部や経営管理部でもJ-CCOREsの管理画面から各工場の計算結果を見ることができるため、従来と異なり、工場にリクエストせずとも、必要な原価情報が取得できるようになりました。

竹原氏

「システム間のデータ連携についても精度が上がり、安定して運用ができるようになりました」
(竹原氏)

- 社内でのJ-CCOREsへの評価はいかがですか。

計画原価の作成時間が大幅に削減でき、原価計算の属人化を排除できたことから、工場から評価を得ています。また、経営管理部では、毎月の数値の集約作業ではなく、数値の分析に時間を使いたいと考えておりますが、それがJ-CCOREsで実現できそうだと考えています。

今後のJFEシステムズのサポートと今後の期待

- JFEシステムズのサポートはいかがでしたか。

高機能プラスチックスカンパニーで導入を経験されていたため、当社の周辺システムや、独自用語、文化を理解されており、当初から会話はしやすかったです。第1期から現在にわたり、定例会を開催しJFEシステムズにも参加してもらっていますが、環境・ライフラインカンパニーの視点にたった手厚いサポートをしてもらっています。導入中の工場からの質問にも迅速かつ丁寧に回答していただき、課題解決のサポートが非常に助かっています。このように各工場へスムーズに横展開できたのはJFEシステムズのおかげです。

- 今後の取り組みのご予定について教えてください。

積水化学グループでは、生産会社で製造した製品を積水化学工業が仕入れ、それを販売会社に卸して、グループ外の企業に販売して収益を上げるという構造になっています。今回のJ-CCOREs導入で、生産会社の原価把握という点は見えてきたため、今後は生産会社を跨いだ連結原価や収益の把握を行えるような仕組みを作っていきたいと思っています。

- 今後のJFEシステムズに対する期待についてお願いします。

月次の実績原価計算や差異分析のよりスムーズな運用や、先ほどの生産会社を跨ぐ原価管理等、やりたいことは多々あります。他社の導入経験、取り組み方等も参考にさせてもらいつつ、引続き手厚いサポートをお願いしたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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