会社案内
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JFEシステムズは、 DEI(Diversity, Equity & Inclusion) 理解促進に向けた取り組みの一環として、2023年12月4日(月)、「DEIフォーラム2023」を、全社員を対象にオンライン開催しました。代表取締役社長 CEO 大木 哲夫と、社外取締役 保々 雅世が登壇したセッションの概要をご紹介します。
当社は、設立30周年を迎えた2013年に、現在の当社DEI推進の原点となる「女性活躍」をテーマとした活動をスタートしてから、10周年を迎えました。
本セッションは、「当社DEI推進10周年 これまでの10年、これからの10年 ~D&IからDEIへ~」と題し、当社のダイバーシティ経営の現状と次の10年に必要な視点についてディスカッションしました。
大木社長:
当社は、ダイバーシティ経営の浸透度合いでは過渡期にあり、DEIに対する理解をより一層深めていかなければならない段階です。
2023年に発表された「世界ジェンダーギャップ報告書 2023」で日本は125位でした。私は、これは恥ずかしいことだと思っています。まずは、この現実に関心を持つこと。そして、外の世界で起こっていることに注意を振り向けて行動することが大切です。
DEIは、「保護や配慮」ではなく「人権尊重」、つまり相手をリスペクトする姿勢が基本です。社員の皆さんには、この機会に今一度「JFEグループ人権基本方針」に目を通していただき、一人ひとりの行動を見直していただきたいと思います。
保々取締役:
2023年6月に取締役に就任し、当社は、決して派手ではありませんが、地道に取り組みを進める会社という印象を持っています。女性管理職比率も年々向上しており、皆さんの中で女性活躍は定着しつつあるのではないでしょうか。
ダイバーシティ推進の対象は、女性活躍以外にも広がりつつあります。例えば、今の時代は女性だけではなく、男性も「男なんだから」と無意識に言われることに、生きづらさを感じるようになっています。
ただ、当社には、一人ひとりが問題意識を持ち、解決したいという気持ちが生まれる土壌があると期待しています。まずは、自分事としてダイバーシティの取り組みを広げていくことが大切です。
保々取締役:
D&Iを意識するきっかけは、皆さんの身近なところにあります。
例えば、「管理職は偉い(逆に管理職は大変)」という考えも、アンコンシャス・バイアスです。若い方々の中に、管理職になりたくない、偉くなりたくないという価値観があるとしたら、管理職のプラス面・マイナス面について、丁寧にコミュニケーションしていくことが大切です。
自分が成し遂げたいことがあるなら、決して「食わず嫌い」にはならないでほしい。私は、割と早い段階で管理職を経験させていただきありがたかったですし、その体験を若い皆さんと共有し、一緒にディスカッションしていきたいと考えています。
大木社長:
私からは、2つお話しします。
1つ目は、「多様性がイノベーションを生み出す」という考えを、マネジメント層の男性社員が、腹落ちしていない可能性があることです。日本の組織は、長年、男性をマジョリティとする同質的集団で運営されてきました。
しかし、同質性の高い組織では上手く対応できないテーマがここ30年ほどで増え、日本は世界の潮流から大きく後れを取っています。
最近、経営の現場では「レジリエンス」という言葉がよく使われるようになりました。個人や組織の「さまざまな環境や状況の変化に対して適応する力」「困難から立ち直ることができるしなやかな強さ」という意味です。
レジリエンスの発揮には、同質的集団では思いつかなかったような柔軟なアイデアやアプローチでの対応が必要です。DEI推進は、日本の同質的集団を変えるひとつの契機であり、今後われわれの組織に注入される非常に強いパワーになると考えています。
ただし、組織内の多様化が進めば、イノベーションが進むという単純なものではありません。ここで強調しておきたいのは、「行動変容」に繋がらないままでは何も変わらないということです。
マジョリティ側の男性社員が中心となり、「想像」と「対話」の力を鍛え、行動変容を通して、マイノリティ側の社員の意識と行動にポジテイブな影響を与える流れを作りたい。それによって、マイノリティ側の社員が仕事を通じて自信と諦めない心を育み、自立と活躍に繋がれば嬉しいことです。
2つ目は、すべての社員が自分を欺かず正直な行動を取ること、見て見ぬふりをすることもやめようということです。日々働く中で抱いた問題意識を自分一人で抱えて、悩んで、仕方ないよねと諦めず、周囲の人や相談窓口に相談する等のコミュニケーションを取ってください。自分は一人ではない、支えてくれる仲間がいると信じて行動してほしいと思います。
大木社長:
私からは、3つお話しします。
1つ目は、フェアネスです。社長就任時から、大切な価値観として「Open、Collaborate、Fair」をお伝えしてきました。フェアネス実践に向けて、管理職・リーダーは、性別や年齢などの区別なく仕事を割り振る、サポートする、結果を評価する、今後に向けたフィードバックをする、等をお願いします。
2つ目は、インクルージョンです。このコンセプトを日々の職場で具体的に表現する方法を学ぶ機会を設けます。
3つ目は、情報開示です。職位のレベルに関わらず、情報に格差がない形で日々の仕事が運営されることが理想です。情報からいかに付加価値を生み出すかという点で評価したいものです。
保々取締役:
私は、女性として「マイノリティ」と呼ばれる立場で働いてきましたが、「ダイバーシティ」や「インクルージョン」という言葉の定義が分からなくても、体現してくれている仲間に恵まれたことがありがたかったです。
例えば一般的には、「リーダーを務めるのはシニア社員」というアンコンシャス・バイアスがありますが、外資系企業で3名のチームで働いた時は、最も若手だった入社2年目の私がリーダーを務めました。理由は、シニア社員がテクノロジーに長けた方で、私は、お客様との交渉が得意だったからです。その人が持つ個性や能力を発揮するという考え方をするだけでも、楽に仕事ができるようになる人は多いのではないでしょうか。
普段の仕事で、何となくそうすることが普通だと思われていることに対し、「そうしなくてもいいんじゃない?」と発言してみるのもありだと思います。ぜひ、今日できることから取り組んでいただきたいと思います。