DEIフォーラム2022「価値創造とDEI」

DEIフォーラム2022

JFEシステムズでは、 DEI(Diversity, Equity & Inclusion) 理解促進に向けた取り組みの一環として、2022年12月2日(金)、当社初の試みとなる「DEIフォーラム2022」を、オンライン開催しました。
大木社長とDEI推進組織メンバーが登壇したパネルディスカッションでは、「価値創造とDEI」と題し、「価値創造」「心理的安全性(自分らしくあること)」「対話」の3つのテーマを軸にパネルディスカッションを行いました。ディスカッションの概要をご紹介します。

パネリスト

代表取締役社長
大木 哲夫
総務部 広報グループ長
兼 人材開発部 DEI推進グループ
田中 恵美
人材開発部 採用グループ
兼 DEI推進グループ
久嶋 隆一

「価値」ってなんだろう?

財務的価値と非財務的価値の双方を追求

大木社長
近年、企業情報開示の流れが、財務情報に加え、非財務情報にも広がりつつあります。
環境問題への取り組みや人的資源開発、ガバナンスや内部統制の仕組みなど、非財務的事項が投資家の皆さまにとって価値のある時代になってきたことを示すものです。

財務的価値は、株主の皆さまにとっては企業の利益が増えることで、配当が増え、株価が上がること、社員の皆さんにとっては、一人当たり付加価値が増え、労働分配の絶対額が増加することです。

一方、働きやすい職場、自分の成長をサポートしてくれる職場、仕事のプロセスが楽しい職場、仕事のアウトプットに意味のある会社など、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)を含めた非財務的価値は、私達にとって価値があるだけでなく、「意欲」、「生産性」、「創造性」などを高め、結果として財務的価値にプラスの効果をもたらす可能性が高いと私は思っています。

組織のサステナビリティを高め、継続的に財務的価値を創出していくためにも、非財務的価値に関心を持ち、その実現に向けて意識的に努力することが必要です。

久嶋
当社が「働きやすい職場、自分の成長をサポートしてくれる職場」かは、当社へ就職を希望される方々にとって、非常に関心が高いテーマの一つです。

会社説明では、当社が認定を受けている「健康経営優良法人」 、「プラチナくるみん」、 「えるぼし」などをお示しし、働きやすい会社と感じていただけるよう当社の働き方改革・女性活躍推進などの取り組みをご説明しています。

例えば、「プラチナくるみん認定」は、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として認定した「くるみん認定」企業のうち、性別に関係なく育休を取得でき、復職後もキャリアを継続できている企業が認定を受けるものです。指標としてチェックされている方も多いですね。

田中
非財務的価値向上に向けた当社の取り組みは、社外の皆様から関心を寄せていただいているテーマです。当社はコーポレートサイト「サステナビリティ」にて情報発信しています。

先ほど久嶋さんからお話があった、プラチナくるみんをはじめとする当社認定実績をはじめ、本フォーラムのテーマであるDEIの取り組みについても、情報発信しています。

関連リンク:

テーマ1「価値創造」

共感を繋いで、DEI の「影響の輪」を広げる

田中
多様性を尊重できる職場風土の醸成は、非財務的価値を育む土壌です。
当社のDEI推進は、独自の「ダイバーシティ推進サイクル(知る→考える→行動する→伝える)」に沿った活動を展開しています。

私達は、まずサイクルの起点となる「知る場」を提供しています。「イクボス研修」・「育休復帰者研修」・「アンコンシャスバイアス研修」をはじめとするDEI関連研修、「社内報」をはじめとする社内広報活動、「女性フォーラム」などのイベントが該当します。
本日開催した「DEIフォーラム」も知る場の一つです。

ただ、知るだけでは知識を得ただけで終わってしまいます。そこで、サイクルの2番目「考える」に該当する取り組みが、本日ディスカッションのテーマの一つにもなっている「対話」の場の設計です。
例えば、イクボス研修では、対話の場として「ケーススタディ」を実施しています。ケースに対してどのようなマネジメントが必要かを話し合うことで、自職場で実際にあったケースに話が広がります。
私達は、この「対話」を、DEIに対する理解を深める取り組みとして重視しています。

ダイバーシティ推進サイクルの最後「伝える」は、「実際の行動を通じて感じた、ご自身の考え・思いを伝えていただくこと」です。
先ほど例に挙げた、イクボス研修では、伝える場として実際に育児休業を取得した社員に、育休休業取得前から、育児休業取得後までの経験談を伝える場を設けています。
伝えることが共感を繋げ、影響の輪を繋げ、「多様性を尊重できる組織風土」という価値創造の土台づくりに繋がります。

ぜひ、皆さんにも、DEIに対してご自身の思いや考えを、まずは周囲の方でも良いので、伝える側になっていただきたいと思います。

「潜在力」の解放

大木社長
私たちは潜在的に大きな可能性をもった存在であり、社員一人ひとりの「潜在力を解放」することが、個人にとっても、組織にとっても大きな可能性を生みだすと考えています。

潜在的な能力を解放するための第一歩は、「自分がしたいこと」「自分はこうありたいこと」を考え、その実現に向けて行動することです。
自分自身を肯定し、「自分でもできる」という前向きな気持ちを持ってほしいと願っています。
言われるからやるのではなく、自分の心の声を聴いてやるのです。

その習慣ができれば、困難な状況に陥っても、自分を見つめて、どうやったらこの状況を切り抜けて前進できるのか、きっと見えてくると思います。
その時、自分の潜在力が顕在化したと感じることでしょう。
それを潜在力の解放と呼んでいます。

自分で気付けること、自分で行動できること、こうした習慣を持った社員が、皆で力を合わせれば、当社は組織としてすごいパワーを生み出せるに違いないと確信しています。
これこそ、インクルージョンに他なりません。

テーマ2「心理的安全性(自分らしくあること)」

「固定観念」が自分らしくあることを妨げる

田中
「固定観念」が自分らしくあることを妨げることがあります。
社会的役割のほか、ジェンダー、世代、国籍などの固定観念は誰しもが持っているもので、決してそれが悪いわけではありません。
しかし、固定観念に無意識でいると、自分らしくあることを妨げるだけでなく、良かれと思ってやっていることでも、他人の可能性を狭めてしまうことがあります。

当社が重点的に取り組んでいるDEI推進施策の一つ「アンコンシャスバイアス」も、無意識の固定観念が引き起こす問題です。
「固定観念は、自分自身や周囲の人の未来を閉ざす可能性がある」と知り、コントロールすることが大切です。

自分らしくあることが「本当の協力」「共創」に繋がる

大木社長
自分らしくとは、自分の考えを持つこと、こうしたいと思えること、自分の未来に期待すること、そのために味方の協力を得て、結果を自分で刈り取ること、などを包含しています。自分で自分に栄養を与え、目標や夢を与え、未来の自分へ向かって行動を促していくことです。

時に、妥協してもいいやということもあるでしょうが、譲れないこと、どうしてもこだわりたいことがきっとあるでしょう。
それが個性でもあり、自分の主張でもあるわけですから、それを形にすることは「自分の存在を確認する作業」、つまりあなた自身のパーパスを実践することと言ってもよいと思います。
だから大切なのです。

その大切さが分かれば、周囲の人のこだわりや主張にも、何らかの意思や背景があると想像できます。周囲の人に対する接し方も変わってくることでしょう。

職場のメンバーがどのようなこだわりや好き嫌い、個性を持っているのかを知り、リスペクトしながらチームとして動いていくことは、一人ひとりの承認欲求を満たすとともに、協力しあうことに新しい意味合いを発見できるのではないでしょうか?

つまり、上司からの指示で一緒に仕事をする「表面的な協力」を超えて、お互いにより良い結果を生み出そうとする意識的な共同行為としての「本当の協力」や「共創」を経験できると思います。

テーマ3「対話」

包容力ある対話が、モチベーションを引き上げる

大木社長
対話は、結果を生み出すための手法です。

上司が部下と対話する場合、部下が何をしたいのか、何に関心を持っていてどんな努力なら継続できるのか、将来の姿としてどうありたいのか、など本人の考えをヒアリングすることからスタートするとよいと思います。
そして粘り強く続けることです。なぜならば、心を開いて本心を話してくれることは非常に難しいからです。

上司は、質問を投げかけることによって本人に考えさせること、本人の強みを発揮できる方向に誘導すること、そして自分で考え自分で動けるような習慣を身に付けさせることが大切です。
そのプロセスではどうしても具体的なことを語りたくなるものですが、我慢が必要です。
目的は自分のコピー社員を作ることではなく、目の前にいる別人格としての社員が自立して伸びていくように仕向けることだからです。

時には指示や命令が必要なこともあるでしょうが、対話が信頼感を高め、社員のモチベーションを引き上げていきます。コーチという言葉が本来持っている意味、つまり「お客様を目的地まで送り届けること」を意識しながら、包容力のある対話をぜひともお願いします。

そして社員の皆さんは、遠慮せずに自分が考えていることや将来の自分に期待していることなどを説明してほしい。対話の相手とコラボレートしながら、実現に向けた努力を積み重ねてほしいものです。

久嶋
私は、部下に考えを聞いておきながら、その返答として「あなたの考えは違う」というやりとりをしないよう意識しています。
自分の考えが正しいと言うのは、対話ではなく一方的な意見です。あなたの考えに関して「私はこう思う、それは良いね」などとやり取りすることが対話だと思います。

大木社長
形さえ整えれば結果が自然とついてくる、ということはありません。

社員全員が、共通の目的を実現するために、対話に意識的に取り組む必要があります。

多様な人材が集まっても、多様な意見を引き出す努力、尊重する雰囲気、否定しないマナー、そして常に目的を確認しながら取り組むことが大切です。
そういうことが自然にできる雰囲気を持つ職場が増えること、これがDEIの狙いです。

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