― はじめに、会社概要と事業の特長をお聞かせください。
エース保険は、エース・リミテッドの100%子会社であり、スイス・チューリッヒを拠点とするエース・グループの一員です。エース・グループは、保険・再保険分野で世界有数のグローバル・プレイヤーとして世界50か国以上で事業を展開しています。
事業の特長は、損害サービスにおける品質の高さ、透明性、公平性が国際的に評価され、日本の生損保業界では初めてとなる「ISO9001」の認証を取得(損害サービス部門)していることや、米国格付け機関スタンダード&プアーズ社により、日本法人として保険財務力格付けおよび発行格付け供に信用性の高い「A」を獲得(2009年10月現在)していること等、優れた財務基盤に裏打ちされた世界品質の安心を提供している点が挙げられます。
― 帳票電子化に取り組まれた背景をお聞かせ下さい。
取り組みの背景をひとことで表現すると、やはり『出力帳票業務に関連するコスト削減』ですね。
「出力帳票業務に関連するコスト」は年々増加する傾向にあるため、廃止可能な帳票や統合可能な帳票類を定期的に見直してきました。
しかし、現在の管理部門ではスタッフの交代や人員削減もあり、既存出力帳票の必要性の確認も十分に行えていませんでした。
昨年度もこの取り組みを行いましたが、見直すことができたのは約200帳票でした。これは全体に占める割合では数%という数値であり、根本的な対策を講じる必要性を強く感じていました。
単にコストと一括りにしましても、広範囲にわたり複数の要素が存在します。
@ 帳票の管理・加工に必要な直接的・間接的な作業コスト
A 帳票の利用・活用に必要な情報共有コスト
B 帳票の保管に必要なスペース確保などの固定コスト
C 紛失防止・情報漏洩防止などに必要な対策コスト
そのため、単純な「コストダウンのための取り組み」が必要なのではなく、ビジネスプロセスや業務効率の改善が前提となる戦略的な「コストマジメントとしての取り組み」が必要でした。
そして、これらの実現には電子帳票化による関連経費の削減や事務作業の効率化が不可欠であり、その実行手段の一つが電子帳票システムの導入であり、これらが今回の取り組みにおける背景ということになると思います。
― 数あるベンダーの中からなぜ、FiBridgeIIを選ばれたのでしょうか。
最初のきっかけは、株式会社ビーエスピー(以下、BSP社)が主催するセミナーに参加したことでした。
そのセミナーを通じ、当社が抱える課題構造、解決すべき問題を相談させていただき、ご紹介いただいたのがJFEシステムズのFiBridgeIIでした。
エース保険では現時点においては、既存の業務に対する影響、とりわけ出力帳票の様式が大きく変わることは、システム利用者の観点からも可能な限り避けたいと考えていました。
選定にあたっては数社の中から選択しましたが、ポイントは以下の通りです。
◆選定にあたって求めた機能的な要件
| 帳票データの変換機能 |
●帳票イメージをオーバーレイも含めそのままパソコン上に表示できること。
●部支店毎の帳票データを自動的に仕分けができること。 |
| 表示・編集・保存機能 |
●拡大・縮小、頁移動など画面遷移操作が簡単なこと。
●データをエクセル(CSV形式)など、他のアプリケーション形式で利用できること。
●帳票が作成された日付単位での表示ができること。
●文字の指定検索、複数帳票の横断的な検索ができること。
●付箋、マーカー、チェック、確認印を付与でき、その状態を保存できること。 |
| 管理機能およびセキュリティ機能 |
●グループ単位(所属部署、役職等)に参照権限や印刷等の操作制限を設定できること。
●各種操作(参照、編集、印刷)の履歴(ログ)が取得可能で、各種管理機能が充実していること。
●システムの信頼性、可用性の実績が一定以上あること。
●移行作業、システム運用の負荷が少ないこと。 |
上記の要件を基に比較をした結果、FiBridgeIIが飛び抜けて優れていたことが選定の理由となりました。
提案いただいた内容は、こうした「システム利用者から見た使い勝手」も考慮されたものでした。
また、将来的に新基幹システムに移行する計画を立てており、ERP、RDB等のオープン系システムからの出力データも変換し、総合的に利用することができる点も評価できました。また、同業他社での豊富な導入実績も決め手となりました。
なによりも、エース保険の課題や問題を正しく理解してくれた上で、BSP社の帳票作成・管理ソリューション「BSP-RM」と、JFEシステムズ社の電子帳票システム「FiBridgeII」を組み合わせた我々の要望にフィットした提案をしていただいた点が選定の決め手になりました。
― 今回の取組について、導入した際の苦労話などがあればお聞かせください。
導入については、アッという間に終わったというのが素直な感想です。
導入の苦労話と聞いてもパッと思いつきませんが、今回の導入では「利用技術の違い」と「帳票データの移行作業」の二つが大きなテーマでした。
まず、「利用技術の違い」とは、現在、エース保険ではメインフレームで稼働するシステムが大半を占めています。これは過去に構築され、ある意味歴史のあるシステムがそのまま業務で利用されているからです。
そのため今回担当したメンバーは、メインフレーム系の開発技術には明るいですが、オープン系の開発技術には触れることが少なかったので、勘所をつかむことが必要でした。ただ、結果的には知識を保有している技術者に協力を仰ぎながら、プロジェクトをスムーズに進めることができました。
次に、「帳票データの移行作業」としては、電子帳票化プロジェクトのスタートは昨年(2008年)の12月下旬。次いで、帳票システム構築に着手したのが1月上旬。メインフレームの出力ジョブ制御(JCL)の変更開始が1月下旬。DB構成調査変更が2月上旬。電子帳票システム(FiBridgeII+BSP-RM)のマスタ登録の開始が3月上旬と短期間の内にトントン拍子にスケジュールは進みました。メインフレームのJCL変更作業については、中国オフショアを活用しコストを抑止することができました。FiBridgeII、BSP-RMの登録作業については、移行作業の経験者(派遣社員)をご紹介頂けたことで、想定以上にスムーズなスケジュールで進捗し(4ヶ月で866帳票を電子化)、当初の予定より1ヶ月程度作業を早く完了させることができました。
FiBridgeII を導入したことで、以下の効果を得ることができました。
1.電子化が一気に推進し、あわせて廃止帳票も一気に加速
廃止・電子化の検討対象である全2,027帳票について、各帳票管轄部署で検討した結果、545帳票を廃止し、866帳票を電子化することができました。残りの616帳票に関しても、紙出力の停止が決まっているものから順次電子化に移行中であり、更に電子帳票化の効果が顕著に表れてくると思います。
2.業務効率の向上、作業コスト軽減に一役
帳票の電子化が一気に推進したことで、懸念していた現行業務へのネガティブな影響は実際はほとんど見受けられず、それどころか半ば慣習的になっていた「何となく不安だからコピーしておこう」といった非合理的な流れを断ち切ることができました。
今までは代理店様の対応作業として、重く大量な帳票をコピー機の前まで運び、その中から該当のページのコピーを取り、FAXまたは送付するという作業を行なってきました。しかし、今ではPC上の画面で検索し、そのまま印刷処理ができるようになりました。何気なく当たり前にやってきた作業が大きく改善されました。
さらに副次的な効果として、これはデモンストレーションでも実感していましたが、検索速度が予想以上に素早かったという点があげられます。また、CSVなどのデータ加工が非常に容易であるため、これまで管理部門でデータ加工していた作業については、今後は利用部門でも簡単に実施することができると考えています。
3.システム部門が感じた業務の改善
利用部門からシステム部門に対して帳票の内容等に関する問い合わせが来た場合、同じ帳票を画面で見ながらの対応が可能になりました。これにより、迅速に確認できる様になり、回答精度や回答に至るまでの時間効率が格段に向上しました。
― エース保険の今後の抱負をお聞かせください。
今回の取り組みでは、エース保険の『電子帳票化による関連経費の削減』と『事務作業の効率化・合理化』を実現することができたと考えています。今後は更に「業務改善」や「事務の効率化」を電子帳票化をドライバーに推進させていきたいと考えています。
JFEシステムズへの対応に関しての評価ですが、良い意味で言うことはありません。強いて挙げるとするなら、現在の機能以上に画面の操作性やユーザーインターフェースをさらに向上させて頂けますと、利用者サイドの事務効率が更に向上するのではないかと感じています。
今後も引き続き「電子帳票のスペシャリスト」として、弊社の抱える問題や課題、業務を汲み取ったより実践的で魅力的なご提案を期待しています。
お忙しい中、ありがとうございました。
|