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商品情報統合データベース [メルクリウス] 導入事例

アサヒビール株式会社 様

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2000年代前半に積極的なM&Aを行ったアサヒビールでは、分散されていた製品処方・原材料情報データの統合を図るため、2006年に全社共通の製品・原材料データベースを構築した。システム構築の経緯と評価について、アサヒビール株式会社 製品保証センター プロデューサー木幡研一郎氏(写真中央左)、 業務システム部 チーフプロデューサー 齋藤宏樹氏(写真中央右)、アサヒビジネスソリューションズ株式会社 開発第三部 部長 町田浩志氏(写真左)、古内智文氏(写真右) にくわしく聞いた。(会社名・部署名・役職名は、取材当時のものです。)


INDEX

  1. アサヒビールの最近の状況
  2. Mercriusで全社的な製品・原材料データベースを構築
  3. アサヒビールにとっての、製品・原材料データベースの意義
  4. データベース製品(および構築手法)を選定する際の要件
  5. 要件の具体的な内容

   要件1:「スクラッチでの開発は行わない。必ずパッケージソフトを使う」

   要件2:「カスタマイズが柔軟かつ容易であること」

   要件3:「Excelなど外部ファイルからのデータ取り込みが可能であること」

  1. Mercriusへの評価および導入効果
  2. システムを社内へ浸透させるためのポイント
  3. 各ポイントの具体的な内容

   ポイント1:「早い段階で説明をし、現場をプロジェクトに巻き込むこと」

   ポイント2:「現場からの要望には『まず耳を傾ける』こと」

   ポイント3:「製品・原材料データベースへの登録を、品質監査の対象項目とすること」

  1. 今後の期待




※この事例において、「アサヒビール」と「ニッカウヰスキー」の両社で、Mercriusシステムを共有しているため、「アサヒビール」と記述があった場合は、原則として「アサヒビール株式会社」と「ニッカウヰスキー株式会社(アサヒビールの100%子会社)」の2社を指します。



アサヒビールの最近の状況

- アサヒビールの最近の状況をお聞かせください。


「スーパードライ」に代表されるビール市場において、シェアNO.1のご評価をいただいております。また、お客様の多様なニーズに対応するために、酒類事業の多角化を推進しており、2001年にはニッカウヰスキー(株)の営業部門を統合、2002年には協和発酵工業(株)(当時)から酒類事業の譲渡、また、旭化成(株)から焼酎及び低アルコール飲料事業の譲渡を得るなど、ビール単体事業から総合酒類メーカーへと領域を拡大しております。2008年の売上は1兆196億円、社員数は約3,700人です(単体)。



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アサヒビール商品群

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Mercriusで、全社的な製品・原材料データベースを構築

- アサヒビールではMercriusをどのように使っていますか。


アサヒビールではMercriusを、「アサヒビールで製造・販売している酒類の製品・原材料・品質情報統合データベース」として活用しています。データベースの主な用途は、「流通業者様向け製品保証書の発行」、「製品処方(レシピ)の発行」、「お客様、流通業者様からのお問い合わせ対応」などです。その他、社内業務において、原材料情報が必要になった場合は、まずMercriusで検索します。


その他のデータベース活用状況は次のとおりです。


項 目 内容・備考
社内での
システム名称
「AAA(トリプルA)」
AAA(トリプルA)とは、「アサヒビールグループ、安心、安全情報システム」の各単語の頭文字を取った略称です。
運用開始時期 2006年3月
システム検証期間は、2006年1月〜2月
原材料情報登録の
対象となる商品
アサヒビールおよびニッカウヰスキーで
製造している酒類すべて(※1)

具体例:
●「スーパードライ」などビール類
●「ブラックニッカ」などのウイスキー類
●「かのか」など焼酎類
●「カクテルパートナー」など、その他酒類
これら商品の「原材料」および「生産材料」を登録しています(※2)。
「原材料」とは、主にビールにおける麦芽、ホップなどを指し、
「生産材料」とは、主に工場で使う洗浄液、ラベルを貼る糊、コンベア潤滑剤などを指します。
情報記入者 現場社員
情報承認者 情報記入者の上司など複数人
承認プロセスでは、Mercriusのワークフロー機能を活用
情報閲覧者 社員全員

※1:「青島ビール」など輸入酒類は対象外です。
※2:酒類の原材料は、原則として、本社による一括調達です。調達した原材料が、原材料規格書の条件を満たしているかどうかは、本社が主体となって管理します。一方、生産材料は、工場が各自で調達するので、これらの品質管理は各工場が主体となって行います。


Mercrius(トリプルA)は、今後、アサヒビールやニッカウヰスキーで製造する酒類だけでなく、他グループ会社で製造する食品類などの原材料情報管理にも展開する予定です。最終的には「アサヒビールグループ全体の標準システム」として成長させていきたいと考えています。

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アサヒビールにとっての、製品・原材料データベースの意義

- Mercriusで製品・原材料データベースを構築したことの「アサヒビールにとっての意義」をお聞かせください。

今回、構築した製品・原材料データベースの意義は、「M&Aにより分散した情報システムの統合・一元化(※3)」と「食の安心・安全についての説明責任を全うできる体制の確立」の二点です。

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アサヒビール工場(上)
ニッカウヰスキー蒸留所(下)

アサヒビールでは、総合酒類メーカーとなるために、M&Aを積極的に行いました。その結果、2005年の時点で、グループ内酒類製造会社として、アサヒビール、ニッカウヰスキー、アサヒ協和酒類製造の3社がありました。これに伴い情報システムは3社で分散管理しており、情報を取得する流れが複雑化していました。
情報の流れが複雑化した例についてお話すると、例えば販売者であるアサヒビールに、製造者であるニッカウヰスキーの製品の原材料情報に関するお問い合わせをいただいたときに、まずアサヒビールがニッカウヰスキーに問い合わせをし、それからニッカウヰスキーは、原料サプライヤ様にお問い合わせをし、そこで得た回答を、また逆の順に戻していくという複雑な形式になっていました。
この形式を放置していては、流通業者様やお客様から、製品・原材料に関するお問い合わせを頂いたときに、メーカーとしての迅速かつ責任ある対応が困難になります。3社に分散したシステムを一つに統合し、情報の流れをスムーズにするべく、アサヒビール共通の製品・原材料データベースを構築することを決めました。そして2005年秋頃には、データベース製品(構築手法)の選定を始めました(※3)。


※3 この時は、製品・原材料データベースだけでなく、アサヒビール、ニッカウヰスキー、アサヒ協和酒類製造の3社のすべての生産系システムを統合することが決まりました(プロジェクト名は、「生産部門業務改革・情報革新プロジェクト」)。製品・原材料データベースの統合は、このプロジェクトの一環です

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データベース製品(および構築手法)を選定する際の要件

- 製品・原材料データベースの製品(構築手法)を選定するにあたり、何を要件としましたか。


製品・原材料データベースの製品(構築手法)を選定するにあたり、次のことを要件にしました。


1. スクラッチでの開発は行わない。必ずパッケージソフトを使う
2. カスタマイズが柔軟かつ容易であること
3. Excelなど外部ファイルからのデータ取り込みが可能であること

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要件の具体的な内容

- 要件1.「スクラッチでの開発は行わない。必ずパッケージソフトを使う」とは具体的には。


スクラッチでの開発には、「開発費用がかさむ」、「アサヒビール、ニッカウヰスキー、アサヒ協和酒類製造などの各社の意見を聞いているうちに、仕様がふくらみすぎる」などの欠点があります。パッケージソフトを活用し、むしろ3社の業務をパッケージソフトの仕様に極力合わせるという業務改革を行うことで、低
コストかつ短期間でシステムを構築したいと考えました。


- 要件2.「カスタマイズが柔軟かつ容易であること」とは。


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「Mercriusにはパッケージソフトらしからぬ柔軟さがありました」
アサヒビール株式会社
業務システム部
チーフプロデューサー
齋藤宏樹氏

製品・原材料データベースへの情報入力は、各現場の社員が行います。入力画面などインターフェースまわりは、できるだけ使いやすくしたいところです。また、流通業者各社様向けの製品保証書を作成する場合、各流通業者様からのご要望に合わせて、情報項目を個別に設定する必要があります。この他、現場業務では、法改正や、世の趨勢に合わせて、業務のやり方を柔軟に変化・進化させなければなりません。選定する製品の仕様は、「パッケージソフトとしての一定の形を持ちつつも、カスタマイズに融通性、柔軟性が高い仕様」が望ましいと考えました。


- 要件3.「Excelなど外部ファイルからのデータ取り込みが可能であること」とは。


2005年当時、原材料情報については各サプライヤ様からExcelベースでデータのご提供を受ける機会が増加しておりましたので、各現場での入力負荷作業を軽減するためにも、いただいたExcelを、そのまま入力インターフェースとして使えるようにしたいと考えていました。入力インターフェースとなる Excel形式につきましては、各サプライヤ様のご協力をいただいて、アサヒビールとしてのフォーマットを統一しております。


以上3つの要件を基準に各種ソフトウェア製品を比較検討したところ、Mercriusが、アサヒビールの求める要件を相対的に最もよく満たしており、かつ価格もリーズナブルだったので、採用することに決めました。2005年12月のことです。

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Mercriusへの評価および導入効果

- Mercriusを3年間使い続けての、評価および導入効果についてお聞かせください。


Mercriusは、完全に固まったパッケージソフトではなく、その実体は「データベースとツール群」で構成されています。画面や帳票などの作成はほぼドラッグ&ドロップで行えるなど、開発が容易です。管理する情報の項目の変更や増減も自由であり、Excelなど外部ファイルとの連携も可能です。またワークフロー機能も標準で実装されています。食品会社で必要になる機能は一通り揃っており、汎用的なソフトウェアです。
Mercriusを3年間使い続けての導入効果ですが、定量的な部分で言うならば、まず流通業者様向け製品保証書の作成に要する期間が、約10日から約4 日へと6日程度短縮されました。また「お客様や流通業者様からのお問い合わせに対し、アサヒビールとしての回答を確定させるために要する期間」も、かつての「数日」から「1日」に短縮されました。つまり「お問い合わせを頂いてから、原則として24時間以内には回答ができる」という体制が確立しました。
定量的な部分以外では、製品・原材料データベースを一本化し、アサヒビール、ニッカウヰスキー、アサヒ協和酒類製造の3社の業務をMercriusを基準とするものに統一するなどBPRにも役立ちました。また、Mercriusのワークフロー機能により、複数人での情報のチェックが可能となることから、情報の正確性も極めて高いものとなっています。

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システムを社内浸透させるためのポイント

- これまでの3年間の経験を通じて分かった、「製品・原材料データベースを社内浸透させるためのポイント」を教えてください。


製品・原材料データベースを社内に浸透させる際のポイントは次の3点であると考えます。

1. 「早い段階で説明を行い、現場をプロジェクトに巻き込むこと」
2. 「現場からの要望には『まず耳を傾ける』こと」
3. 「製品・原材料データベースへの登録を、品質監査の対象項目とすること」

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各ポイントの具体的な内容

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「現場を早くからプロジェクトに巻き込むことが重要です」
アサヒビール株式会社
製品保証センター
プロデューサー
木幡研一郎氏

- ポイント1.「早い段階で説明を行い、現場をプロジェクトに巻き込むこと」とは具体的には。

プロジェクトを成功させるためには、工場など現業部門の納得と協力が不可欠です。しかし、プロジェクトの計画や趣旨は、本社レベルで周知であっても、工場など現場レベルにはなかなか伝わらないものです。今回の製品・原材料データベース構築プロジェクトにおいては、新システムの運用開始年の2006年3月〜6月に、全国の工場を訪問して、新システムの導入目的やメリットを説明しました。
プロジェクトの旗振り役は、早い段階で現場に足を運び、担当者と膝をつき合わせて対話をし、現場をプロジェクトに巻き込むことが重要であると考えます。

- ポイント2.「現場からの要望には『まず耳を傾ける』こと」とは具体的には。

現場社員からは、入力インターフェースや検索項目など「使いやすさ」を向上させるための要望が、多く寄せられます。しかし「使いやすさ」とは多分に主観的な感覚であり、全員の要望を受け入れることが困難です。とはいえ、むやみに要望を拒絶したのでは、現場の改善意欲が下がります。
今回のプロジェクトにおいては、「現場からの要望にはまず耳を傾けること」という方針をとりました。まず、要望内容を把握した上で「全体最適」を基準にそのアイディアを採用するかしないかを決めます。
例えばある要望が、国内の9工場すべてから来ているとすれば、もちろん採用します。一方、一つの工場の一担当者からの要望については、内容を精査し、全体のメリットにつながるかどうかの観点で判断し、メリットが享受できない場合には不採用としています。
なお、現場からの要望に対しては、「窓口」を一本化することが大変重要だと思います。

- ポイント3.「製品・原材料データベースへの登録を、品質監査の対象項目とする」とは具体的には。

アサヒビールでは、工場の品質監査の際に「製品・原材料データベースへの情報登録を確実に行っているかどうか」という点もチェック項目に入れています。当社はもちろん、お客様に対する大切な情報ですので、正確な情報の登録が抜けなく行われるように、PDCAによるサイクルを回して、確実に登録作業を行っていただくように工夫をしています。

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今後の期待

- Mercriusへの今後の期待をお聞かせください。

今、お客様の間では、「食に対する安心・安全」への関心が急激に高まっています。そうした中で、アサヒビールグループでは、今後も、「食に対する安心・安全」を十分に確保できる体制づくりに取り組むとともに、お客様からのお問い合わせにつきましては、正確、かつ、迅速にお答えできるよう、尚一層努力してまいります。今回、Mercriusで製品・原材料データベースを構築したことは、その体制づくりの一環です。システム面では、アサヒビジネスソリューションズが、JFEシステムズとパートナー契約を結び、今後のグループへの展開を強力にサポートしていきます。特に、JFEシステムズには、今後とも優れた製品と技術サポートを継続提供していただくことを希望します。今後とも、よろしくお願いいたします。



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