東レ・デュポン株式会社東レ・デュポン株式会社 様

取材日:2019年04月

J-PROCURE
導入事例

業種
化学素材
キーワード
  • 調達
  • 購買
東レ・デュポン株式会社

東レ・デュポンでは、J-PROCUREを導入して購買業務を電子化し、年間700時間の業務時短と6,000件分の取引書類の削減を実現しました。

先端素材で世界トップクラスの化学素材メーカーである東レ・デュポン株式会社(以下、東レ・デュポン)は、従来、紙ベースだった購買システムをJ-PROCUREを使って刷新されました。新購買システムは、J-PROCUREの在庫管理機能やWEB取引機能などの標準機能を活用して構築されています。構築に当たって注意されたこと、導入効果などについて、同社 購買物流部 次長 槙田 義哉氏(写真中央)、システム企画推進部 主席部員 荒木 創氏(写真左)、同部 今林 庸平氏(写真右)に詳しく伺いました。

東レ・デュポンの業態

- 東レ・デュポンの事業内容について教えて下さい。

東レ・デュポンは、合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品を扱う東レと、世界屈指の化学製品メーカーの米国デュポンが50対50で出資して、1964年に設立された化学素材メーカーです。

超耐熱・超耐寒性を特徴とするフィルム「カプトン®」、同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を持つスーパー繊維「ケブラー®」を製造・販売しています。

「カプトン®」はスマホなどに使用されるフレキシブルプリント配線板や液晶駆動用ICの基板などの回路材料や、半導体のリードフレーム固定テープ、航空・宇宙用電線などの先端産業の分野で貢献しています。

「ケブラー®」はタイヤ、ブレーキ、ベルト、ホース、防護手袋、光ファイバーケーブル、建造物などの補強材として使用され、安全やエコといった時代の要請に答えています。

製品画像

J-PROCUREの標準機能を用いて、購買システムを刷新

- J-PROCUREをどのように活用されていますか。

東レ・デュポンでは、J-PROCUREのベースモジュール、スポット購買、リピート購買、ストック管理を活用して、社内の購買システム「Jプロ」を構築しました。Jプロは、製品の原料、段ボールなどの資材、工場や事務の消耗品などの購買品目全般に加え、修繕など役務の受領もカバーするシステムとなっています。

また、Jプロを使って、取引先と購買に伴う見積仕様書や注文書などのやりとりを行っており、下請法の当初書面や補充書面もJプロで発行しています。そして、Jプロは会計システムと連携し、購買品の支払や貯蔵品の出庫の情報を金額計算して管理しています。

2013年9月にJプロ構築プロジェクトをスタートし、2014年6月1日から本稼働を開始しました。現在、購買を行う複数の部署と数百社の取引先が、Jプロを利用しています。

槙田氏

「J-PROCUREを利用したことで、下請法を順守した書面を作成できるようになり、コンプライアンス上の課題も解決できました」槙田氏

J-PROCURE導入前の状況~紙ベースで業務効率がよくなかった

- Jプロを構築する前は、どのようなシステムで購買管理されていたのですか。

2000年にスクラッチ開発したシステムを使っていましたが、老朽化によってサポート終了を迎えていました。また、以下のような問題がありました。

まず、従来の購買システムでは、購買作業は紙ベースで、効率がよくありませんでした。購買依頼書、見積仕様書などの注文関係書類を印刷して社内で決裁を得て取引先にファックスで送り、取引先から受領した見積書に社内で承認印をもらい、ようやく取引実行できるという状態でした。

次に、当社は内部統制が厳しく、物品購入をする場合は、たとえ100円の物品でも見積書をもらう必要がありました。そのため購買関係の書類の量は、1年間で5cmのチューブファイル18冊/6,000件に及びました。書類は最低10年の保管期限があるため、事務所のキャビネットだけでは保管しきれず、製品倉庫内にも保管していました。設備の入れ替えに際して購入時のスペック等を仕様書で確認するときは、多数ある過去のファイルの中から、この辺にあるだろうと当たりをつけて探すしかなく、見つけるのに時間がかかっていました。

さらに、当時のシステムには下請法で定められている「当初書面」「補充書面」の発行機能がなく、担当者が個別にエクセルで作成していました。また、事前に金額が決まらない機械修繕作業においても工事票の作成は担当者任せになっていたので、コンプライアンス上、問題があるとして社内監査で改善するように指摘を受けていました。

これらの問題の解決のために購買システムを刷新することにし、比較検討のため4社にRFPを送りました。

導入の要件~購買業務を電子化でき、共同利用が可能な製品を希望

- RFPの概要を教えて頂けますか。

以下の6つの条件を設定しました。

1.購買から在庫管理までの業務を電子化できること

見積依頼から在庫管理まで、一連の業務を電子化できることを条件にしました。そして、内部統制の観点からワークフローも電子化できること、品目によって決裁権限を設定できることも求めました。

2.取引先とWEB取引できること

業務の電子化を実現するためには、取引先との取引も電子化する必要がありました。そのためには、外部から取引先がWEBアクセスできることは必須でした。

3.下請法が定める書面を作成できること

下請法が適用される取引では、定められた書面を作成して取引先に電子的に送信できるようにし、コンプライアンス上の問題を解消するとともに、担当者の負担も減らしたいと思っていました。

荒木氏

「JFEシステムズは、改善要望にも対応してくれており、Jプロはより使いやすいシステムに進化しています」荒木氏

4.業務内容にあったパッケージ製品であること

導入のコスト削減、構築期間短縮のため、当社の業種・業務にあったパッケージ製品を選定して、あまりカスタマイズすることなく構築したいと考えていました。

5.共同利用・共同開発できること

グループ会社とシステムを共同利用する予定でしたので、それが可能なベンダーのパッケージを利用するつもりでした。

6.会計システムとマスタ連携できること

新購買システムと会計システムとを連携し、会計業務についても同時に効率化したいと考えていました。

これらの内容でRFPを作成し4社に送付し、想定している通りのことが実現できるのかチェックするため、プロトタイプの貸出を各社にお願いしました。

- プロトタイプでは、どのような点について確認されたのでしょうか。

無償のプロトタイプを貸出してくれたのはJFEシステムズだけでした。製品の標準機能で、どのくらい業務をカバーできるのかを2~3か月間、確認しましたが、具体的には、購買依頼から支払、入庫まで一連のプロセスについて、電子決裁やWEB取引ができるのかをセキュリティ面も含めてチェックしています。

試用の結果、J-PROCUREは元々プロセス業の購買業務をシステム化したもので、当社の業務にマッチしており、業務をパッケージにあわせる必要もなく、スムーズに導入、運用ができることが分かりました。JFEシステムズが最も東レ・デュポンの業務にあった提案書を作成してきたこともあり、J-PROCUREを使って購買システムを構築することにしました。

システム構築で注意したこと~取引先も使うシステムのため、堅牢なインフラに

- Jプロ構築にあたり、どのような点に注意を払われましたか。

数百社の取引先がアクセスするため、ネットワークインフラはセキュアな状態を担保できるように注意を払いました。外部から攻撃を受けてサーバーがダウンしたり、ウイルスに感染したりしては、取引先にも迷惑をかけてしまうからです。

社内の人員でインフラの構築から保守まで行うのは難しかったので、外部のデータセンター提供も含めてJFEシステムズにお願いしました。現在、当社でも独自にセキュリティの脆弱性チェックを年2回、行っています。

今林氏

「JFEシステムズは、取引先の増減に柔軟に対応できるネットワークインフラ構成にしてくれました」今林氏

導入効果~業務の電子化で年700時間を削減

- Jプロの導入効果について教えて下さい。

業務を電子化することで、以下のような4つの効果が表れています。

1.購買業務を効率化できた

まず、購買業務を効率化でき、購買依頼の起票から入庫の決裁までのプロセスで、年700時間を削減できました。設備修繕等を取引先に依頼する工事票出力機能をアドオン開発したことで、担当者の負担も軽減しています。

さらに、大量の取引書類を電子化したことで、保管場所が不要になるとともに、検索スピードも格段にアップしています。関係する補足ファイルが後で見つかっても紐付けでき、ファイル整理も容易です。

2.進捗状況の見える化を実現

手続きの進捗状況を見える化でき、全取引の状況が把握しやすくなりました。手続きが滞っている場合にはアラートが出ますし、WEB取引先側でも検収通知書を出力できるようになったことで、処理漏れを発見できるようになり、支払い遅延がなくなりました。

3.法令順守の強化

共通テンプレートによって、各担当者が下請法を順守した書面をスムーズに発行できるようになりました。さらに、電子承認が無ければ発注ができないので、取引先も安心して取引ができるようになったと評価してくれています。

4.迅速に月次集計ができるように

必要なデータを簡単に検索・抽出できるようになり、集計データの正確性もアップしました。従来できなかった当月や品目ごとの発注金額が集計できるようになり、経営判断に役立てることができています。

なお、新たな購買業務の仕組みを構築して、業務の効率化、ペーパーレス化を実現したことが社内で評価され、2015年、総務・購買部門長賞を受賞しました。

- 取引先からの評価はいかがでしょうか。

初心者でも入力しやすいと好評です。利用する取引先に対して、説明会を開いたり、訪問して説明したりしていますが、他社のWEB取引と比べて入力がシンプルかつ無償で使いやすいと高評価を得ています。

JFEシステムズは購買業務の知見が豊富で、使い勝手のよいシステムに仕上げてくれた

- JFEシステムズの対応はいかがでしたか。

JFEシステムズの技術担当者は、東レ・デュポンの要望を単にシステム化するのではなく、これまで蓄積してきた知見を加味した提案をしてくれました。特に、「原料・薬品」「貯蔵品」の受払を含めた購買業務について詳しく、東レ・デュポンが提示した要件の背景事情を理解して業務にあった提案をしてくれました。お陰で、コストを抑えつつ、使い勝手のよいシステムを構築することができました。

今後の展望とJFEシステムズへの期待

- 今後、どのような取り組みをされていくご予定ですか。

現在、営業部門や製造部門での外注加工はJプロを使っておらず、まだ紙で管理しています。担当者がエクセルで下請法の書面を個別作成しており、購買部門がJプロを導入する前と同じ状態です。抜け漏れが起こりやすいため、今後は、備品や役務など支出が伴う全ての範囲でJプロを活用できるようにしていきたいと考えています。

- 今後のJFEシステムズに対する期待について教えて下さい。

最近は、原材料の値段の上下が激しく、一定の期間で単価を決めるのが難しい状況にあり、取引先の見積書には単価の有効期間を「次回改訂まで」と書かれることが多くなりました。この先、そのような不確定な要素に対応する必要があり、JFEシステムズにも協力をお願いしたいと考えています。さらに、マルチブラウザ対応も検討していただきたいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※ デュポン™、カプトン®、ケブラー®は、米国デュポン社及び関連会社の商標あるいは登録商標です。

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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