日本食研ホールディングス株式会社日本食研ホールディングス株式会社 様

取材日:2017年02月

JGranz
導入事例

業種
食品
キーワード
  • ネットワーク構築
  • ネットワーク運用管理
  • データーベース移行
日本食研ホールディングス株式会社

お得意先約20万社、約9,000点にのぼる商品を管理する品質情報管理システムのICT基盤を「JGranz IaaS」に移行
システムの利用者からはレスポンスが改善されたと評価されています

「♪味の作曲家」をキャッチフレーズに、ブレンド調味料などの研究開発、販売、グループ企業の戦略立案を行う日本食研ホールディングスは、グループ企業の活動の中核となる品質情報管理システムのICT基盤を、「JGranz IaaS」に移行し運用されています。

導入の理由と効果について、同社 情報システム部 千葉システム企画グループ グループリーダー 海野裕二氏(写真中央左)、グループ研究開発センター 商品戦略グループ 専任課長 大竹樹氏(写真中央右)、グループ研究開発センター商品戦略グループ 主任 高山さゆり氏(写真右端)、情報システム部 千葉システム企画グループ 主任 石井卓氏(写真左端)に詳しく伺いました。

お客様プロフィール

日本食研ホールディングス株式会社

  • 本社所在地:
    愛媛本社 〒799-1582 愛媛県今治市富田新港1丁目3番地
    千葉本社 〒270-1501 千葉県印旛郡栄町矢口神明3丁目1番地
  • 設立:1973年2月13日
  • 資本金:3億8,800万円
  • 事業内容:ブレンド調味料(液体・粉体)及び加工調理食品の販売、研究開発、持株会社としてのグループ戦略立案及び各種事業会社の統括管理
  • 従業員数:4,138名(※グループ15社合計 2016年9月30日現在)
  • URL:http://www.nihonshokken.co.jp

日本食研ホールディングスの業態

- 日本食研ホールディングスについて教えて下さい

日本食研グループの歴史は、1971年10月、大沢一彦氏が香川県高松市に創業したハム・ソーセージに必要な調味料および機械器具を販売する「畜産加工研究所」から始まります。その後、1975年に社名を日本食研に変更し、さらに2009年には、日本食研ホールディングス株式会社(以下、日本食研)を親会社とする持株会社体制へ移行しています。

現在、KO宮殿工場、千葉本社工場、食品研究工場、ハム研究工場の主要4工場で液体・粉体のブレンド調味料、加工調理食品の製造、研究開発に取り組んでいます。「晩餐館焼肉のたれ」や「から揚げ作り」などの家庭用商品、「から揚げの素No1」や「焼肉のたれ彩」などの業務用の調味料、さらにレトルト食品、ハム・ソーセージなどの開発から製造、販売までを事業として展開し、焼肉のたれやステーキソース等たれ類の出荷量は日本一を誇ります。

KO宮殿工場

KO宮殿工場

日本食研の強みは、強力な販売力を生かした製販一貫の仕組みを確立している点です。商品の企画から研究、開発、製造、販売までのライフサイクルを回しながら、卸問屋を利用しない独自の流通体制を構築しており、新たな商品戦略として「単品日本一戦略」を推進し、市場サイズの大きい分野に優先的に商品を投入、日本一の単品目となることでスケールメリットの獲得を目指しています。さらに、少量多品種の商品を短納期で提供できる開発・生産体制、約20万軒のお得意先に対して提供されるブレンド調味料のうち、約2割が特別なレシピで作られている点などがあげられます。

- 情報システム部の役割について教えて下さい

情報システム部は、日本食研グループ全体の基幹システム構築・運用・管理を担当し、単品日本一戦略や少量多品種を短納期で提供する体制を支えています。

年間約1,630品の新製品を開発しているため関連システムへの登録データ量が多く、サーバのディスク容量には特に気を遣います。また、短納期の強みを生かせるよう、お得意先に提出する商品カルテを自動生成するような担当者の手間を減らす仕組みを整備しています。

導入の経緯

- 「JGranz IaaS」を導入される前はどのような状況でしたか

N-QAS(エヌキャス:Nihonshokken Quality Assurance Systemの略)と呼ばれる配合・食品法規管理システムをオンプレミスのサーバで稼働させていました。日本食研ホールディングスの研究開発部門や品質管理部門・製造会社・販売会社も利用しており、ユーザ数は、海外拠点を含めたグループ全体で約3000名にのぼります。商品の研究開発のみならず、製造・販売にも必要な商品のマスター情報を管理しており、その意味で、日本食研グループの企業活動の中核となるシステムです。

しかし、サーバの耐用年数が経過し老朽化してきたことに加え、各種機能追加を繰り返したこと、データ量が想定以上に増加したことから、リソース不足、レスポンスの遅れ、障害発生が目立つようになりました。研究開発担当者が入力する画面のフリーズや、営業担当者が閲覧する商品規格書の表示にかなりの時間を要することもありました。また、生産管理システムとの連携が、1時間ほどできずに製造業務に支障をきたすこともありました。

このような状況からオンプレミスでサーバのハードウェア更改も考えましたが、老朽化のたびに更改を繰り返すのは手間もコストもかかります。さらにデータ移行のリスクを抱え続けることになるため、クラウドの導入を検討することにしました。

拡張性の高さ、低コスト、データ移行の容易性からクラウドに

- クラウドのどのような点を評価して導入を決定されたのですか

以下の3点を評価しました。

1.リソース変更の自由度が高い

日本食研では、1日に何十品目もの新規商品を開発しています。システムに登録するデータには商品画像も含まれるため、保持するデータ量は急激に増え続けています。また、法律改正のたびに機能追加を適宜行っていることから、メモリの増設が必要なのに実施できないことがしばしばありました。その点、クラウドであれば拡張性が高くリソースを柔軟に最適化できます。

2.導入およびランニングコストを抑えられる

本社がある愛媛にデータセンターを移設し、オンプレミスのサーバを全て冗長化することも検討しました。しかし、ハードウェア更改とデータ移行費用を含めるとクラウド移行の1.5倍以上のコストでした。5年間の運用保守を含めたトータルコストと比較してもクラウドの方がコストを抑えられました。

海野 氏

「今後は、本社がある愛媛とN-QASのある東京で、BCP対策の検討も行っていきたいと考えています」
海野 氏

3.移行が容易

オンプレミスでハードウェア更改する場合、新たにICT基盤を構築した後に各種設定やデータ移行作業が必要になるため、リスクも高くシステムの停止時間も長くなってしまいます。クラウドではサーバを仮想化しますので、データ移行が容易で短期間で終わらせることができます。

企業活動の中核となるシステムのI C T 基盤を「JGranz IaaS」に移行

- JFEシステムズのクラウドを選ばれた理由は何ですか

業務品質を落としたくないというのが一番の理由です。これまでN-QASの保守を JFEシステムズに担当してもらっており、障害発生時に一次連絡すれば全て解決できました。JFEシステムズは、その原因がインフラ基盤にあるのか、アプリケーションにあるのかを切り分け、対応してくれます。根本的な解決に時間がかかる場合であっても、当面の対応策を講じて業務に影響が出ないように対処してくれました。

私たちでは原因追究も難しいですし、管理部門とのやり取りも大変です。連絡すれば全て対応してもらえるのは、とても助かりました。その点からも、「JFEシステムズのクラウド」ならば従来と変わらない業務品質が期待できました。

導入にあたっては「JGranzデータセンター」の堅牢さも評価しました。データセンターは複数の電力供給経路があり、建物も地震対策を二重に施した構造となっています。東京湾に近い立地については少々心配でしたが、実際に見学したところ、高潮対策も万全でした。

大竹 氏

「N-QASが停止すると商品カルテなどの重要書類の提出ができなくなり、業務に支障をきたします」
大竹 氏

「JGranz IaaS」はパブリッククラウドではあるものの、N-QASと同じJFEシステムズが運用保守をしてくれますし、プライベートクラウド同様にカスタマイズができたので、安心して任せることができました。

- ハイブリッドクラウドを採用した理由は何ですか

クラウド化の検討段階で、従来のデータベースを「JGranz IaaS」に移行すると膨大なライセンス費用が発生することが分かりました。別のデータベースに乗り換えることも検討しましたが、アプリケーションを改変しなければならず、構築や検証のコストも生じてしまいます。

そこで、データベースは「JGranzハウジング」に無停止型サーバ「ftServer」を持込み、「JGranz IaaS」と構内接続をすることにしました。「JGranz IaaS」と「JGranzハウジング」はJFEシステムズに一元保守をしてもらえるので、これまで通り運用負荷が増える心配もなく、クラウド化のメリットを享受できることから採用を決定しました。

- 「ftServer」を選ばれた理由は何ですか

「ftServer」はすべてのコンポーネントが2重化されており、万が一、障害が発生してもシステムは稼働し続けるので可用性が高く、「JGranz IaaS」と同レベルのプライベートクラウド環境が構築できると考えました。

システム概要図

システム概要図

スムーズなデータ移行のために準備したこと

- データ移行に関して、どのような準備をされましたか

 

実際のデータ移行作業は経験値があったので安心してJFEシステムズに依頼し、私たちは事前、移行当日、事後にやるべき動作検証やシステム連携のチェック項目を細かく定め、分単位で細かくスケジュールを組みました。

本社がある愛媛の情報システム担当者ともメール連絡やテレビ会議を実施し、5人で延べ2週間にわたりリハーサルを行いました。マスターからデータを流して、アプリケーションが正しく動作するか、アプリケーション間の連携がうまく取れているかなど、特殊な処理を含めてチェックしました。問題があった場合は、検証作業を追加したり、作業内容を見直して、本番に向けて精度を高めていきました。

その結果、本番のデータ移行作業はスムーズに進み、当初は移行に必要な時間を17時間/日×3日と見積もっていましたが、実際は15時間/日×3日で終えることができました。

高山 氏

「以前は、N-QASの画面遷移が遅くなり、業務ができないこともありましたが、リプレイス後は、そのようなことはなくなりました」
高山 氏

導入効果 ~システムのレスポンスが早くなった

- 導入効果はいかがですか

 

2017年1月から N-QASをハイブリッドクラウド上で稼働させています。クラウド移行によるリソース増強の効果もあり、本社がある愛媛や海外拠点からの利用であってもレスポンスが改善しました。これまでシステムの画面遷移が遅いとクレームを伝えにきたユーザにも確認しましたが、移行後はレスポンスが早くなったと評価していました。さらに、データの更新処理が早くなったことで夜間のバックアップ時間も短縮されました。

ユーザ側の環境変更もなく保守・メンテナンスも容易ですし、コスト面でもメリットを実感しています。

- JFEシステムズの対応はいかがでしたか

 

JFEシステムズは、さまざまなトラブルを想定して事前にチェックし、テスト時にエラーを発見してくれました。おかげでリハーサル時に課題を全て解決でき、大きなトラブルもなく本番のデータ移行を進められました。

また、移行の各プロセスを全体像とともに細かく丁寧に説明をしてくれ、質問に対する回答も迅速だったので、安心して任せることができました。大きなトラブルもなくプロジェクトを遂行することができ、JFEシステムズには感謝しています。

- 「JGranz IaaS」の導入を検討している企業に対して、アドバイスがありましたらお願いします

 

オンプレミスでサーバを管理されている企業にとって、5年ごとの更改、それに伴うデータ移行や再構築は大きな負担だと思います。それらの管理コストや運用負荷を減らすために、クラウドサービスを使うことを一つの選択肢としてもいいのではないかと思います。「JGranz IaaS」はプライベートクラウドに近いクラウドサービスなので、オンプレミスと変わらない運用ができ、経営層に対しても提案しやすいと思います。

今後の取り組みとJFEシステムズへの期待

 

- 今後、どのような取り組みをされるご予定ですか

 
石井 氏

「クラウドであれば5年ごとの更新を考える必要もないため、その分のコストも抑えられます」
石井 氏

N-QAS以外の基幹システムのクラウド化を進めて行きたいと考えています。今後はハードウェアを持たない運用体制を作って行きたいですね。そのためにも、クラウドサービスについて、さまざまな面から検証して行くつもりです。また、デジタルビジネス領域をさらに広げ、人工知能(AI)や BIツールを活用した研究開発も検討しています。将来的には、愛媛と東京のデータセンター間でBCP対策強化をはかりたいと考えています。

- JFEシステムズに対する今後の期待について教えて下さい

 

JFEシステムズの提案力は素晴らしいと思います。これからも新しい技術を使った製品・ソリューションが生まれると思いますが、引き続き、当社にあった製品・ソリューションを紹介して欲しいです。今後ともよろしくお願いします。

- お忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

※ 実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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