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システムは、成長していかねばならない

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システムは、成長していかねばならない

東日本事業所 京浜システム開発部 鋼管・物流グループ 物流チーム
手塚 敦樹

24時間365日止まることが許されない製鉄工程にあって、ジャストインタイム生産や適正な在庫管理を実現するには、生産プロセス同士、あるいは流通基地と顧客を結ぶ物流網の構築が不可欠だ。JFEスチール東日本製鉄所京浜地区において、物流部門の企画・構想立案~システム開発~運用・保守を担当しているのが、手塚である。

在庫管理が難しい製鉄の物流をシステムでサポート

製鉄における物流には、鉄鉱石など原料を運ぶ「仕入れ」、製鉄所内で原材料・半製品・製品を生産ラインや倉庫に運ぶ「構内物流」、製品を流通基地・センターに運び保管し、国内外のお客様へ届ける「構外物流」があります。私は、東日本製鉄所京浜地区で製造される厚板・薄板・鋼管の構内・構外物流のシステムを手掛けています。

もともと物流は、生産や営業に左右されるセクションです。生産側が生産量を上げたり、営業の要望でジャストインタイムの仕組みを実現しようとすると、多くの在庫を抱えることになります。しかし、適正に在庫をコントロールし、必要なときに必要なものを運べる体制を構築しなければ、多品種少量生産の現在では、無駄な輸送やいわゆる「動かない在庫」が生じてしまいます。

また、物流の中でも、原材料・製品が巨大な製鉄は、文房具など小さな消費財に比べて在庫管理が難しいといえます。板状の鉄を巻いたコイルは一つ数トン、トラックに載せるだけで数十分かかることも。さらに、製鉄はラインを止めることができません。そのため、年末年始やゴールデンウィークなど、お客様の引き取りが少なくなるときには、生産される続ける製品の保管場所の確保に苦労します。


こうした難題をシステムの力で解決し、製鉄の血管ともいえる物流をサポートしていくのが、私の仕事です。

共同配送から始まった物流システムの統合

2003年、日本鋼管と川崎製鉄が合併し、京浜製鉄所と千葉製鉄所は東日本製鉄所として生まれ変わりました。その際に重要テーマとなったのが、東日本製鉄所の物流部門における統合効果を早期に出すこと、そして、物流改革による収益力・市場競争力の確保でした。

これを実現するには、両製鉄所のシステム統合が欠かせません。私はこのシステム統合プロジェクトに、構想立案フェーズから参画しています。全面再構築か、あるいは部分的に新しくして既存システムと並立させるか、その検討からプロジェクトはスタート。コストがかからずスピーディーに統合効果が出せることから、部分再構築が選択されると、新規開発するターゲットを設定しました。

それまでのシステムは、拡張性・接続性の低い大型汎用コンピュータ時代の仕組みでしたが、物流業務を共通化できる地区は、大阪・近畿・名古屋などにもあります。東日本製鉄所で統合物流システムをつくった後、他の地区に展開していくことも考え、再構築部分は全面Web型で構築することに決めました。


最初に着手したのは、共同配送の仕組みづくりです。これまでは、京浜地区から近隣の神奈川だけでなく、千葉にも配送が行われており、いずれの地区でも配送先で荷を降ろしたトラックは空のまま製鉄所まで帰っていました。千葉のトラックが神奈川で荷を降ろした後に、京浜地区に寄って千葉方面のお客様に届ける荷を持っていけば積載効率は上がりますよね。簡単に言えば、これが共同配送の仕組みです。開発は2008年ごろから本格化、2009年にサービスインしました。

また、統合の第二弾として、構内物流作業の共通化にも取り組んでいます。物流計画や作業車両などを手配する管制の仕組みを京浜・千葉地区で共通化し、それにより業務の効率化や人材交流の活発化を図るものです。私たちは、システム案件化する以前の、業務の見直しフェーズからプロジェクトに参画しています。

こうした東日本製鉄所の案件はもちろん、全社的なテーマにも取り組んでいます。現在、現品識別番号・体系や納品物のフォーマット・体裁を全社的に統合する、全社出荷統合の仕組みづくりを進めています。

構想立案から保守まで一気通貫でサービスを提供

私が所属するチームは、現在社員6名。これに15名のビジネスパートナーを加えたメンバーで、業務を行っています。

私はチームリーダーとして、チームをまとめる立場です。常に複数のプロジェクトが同時進行している状況なので、他チームにプロジェクト管理ができるメンバーの応援を要請することもあります。そのため、応援メンバーをサポートしつつ、プロジェクト横断で品質や整合性を担保していくのも、私の大切な仕事です。

前述のようなシステム構想立案・企画だけでなく、開発・設計、さらに、納品後の保守も私たちの仕事です。現場で何かあったら、夜間休日関係なくすぐに駆けつけます。
この前は、船積みを支援するシステムの本稼働を見に行きました。納入した先は、岸壁にある高さ15メートルほどのクレーン!操縦席まで幅の狭い梯子を登っていきました。いやあ、すごく怖かった(笑)。

保守のためだけに限らず、現場に行くことは多いですね。物流は、製品の置き場や現場のレイアウト、オペレーターの実作業の様子などをよく理解しておかないと、良いシステムはつくれませんから。

バリューチェーン全体の最適化も視野に持続発展可能なシステムを構築

私たちはJFEスチール様のSI部門です。お客様視点で、お客様が成功するために何ができるかを考え、できることを最大限努力して実現することをいつも心掛けています。

また、システムは成長していかなければならないと思っています。だから、「持続性あるシステム構築」ということも常に意識しています。
例えば、現在、東日本製鉄所内の作業や輸送の効率化・共通化を目指していますが、今、実現しているのは、配送や物流計画など割合早急に業務統合できるプロセスです。倉庫の状況・構内レイアウト・扱っている品種などの違いから統合されていない、各地区固有の作業・オペレーション領域についても、いずれは共通化していかなければならないでしょう。

東日本製鉄所の物流統合が実現すれば、次は西日本製鉄所を結んだ構内物流の最適化、輸送・倉庫の作業効率化、さらには、物流拠点も含めJFEスチール物流網全体を結んだ、トータルな在庫コントロールに取り組んでいく必要があります。バリューチェーン全体の最適化ということです。

例えば、お客様に納めた自動車用の薄板について、車となって消費されたタイミングを把握、消費分は直ちに生産し、タイムリーに届ける――そんな物流サービスができれば、本当に適切な在庫管理、真にダイナミックな物流の仕組みができたということですよね。物流部門という枠を超えて、生産計画から営業までを結び、マーケット動向や需要をきちんと把握しながら生産ラインをコントロール、モノを運ぶ。そんな仕組みを実現したいんです。


そのためにも、私自身、生産ライン・製鋼・生産計画の仕組みなど製鉄の上流工程を経験し、業務の幅を広げていきたいと思っています。

***

日本鋼管のシステム子会社(現エクサ)に入社以来、ずっと京浜地区の、しかも、物流を長年見てきた手塚。それでも、「ずっと製鉄のシステムに携わっていきたい」と語る。プライベートでは体を動かして気持ちをリフレッシュ。サーフィン、スノーボードはもう10年以上続けている。

※コラム内容は2013年2月時点のものです。

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