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グローバル競争に勝ち残るには、数量と金額に基づいた計画が必要。

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グローバル競争に勝ち残るには、数量と金額に基づいた計画が必要。

製造流通ソリューション事業部 ソリューション企画部 企画グループ
廣津 弘太郎

売れるモノが足りず、売れないモノが余る――欠品と余剰在庫をいかに抑制するかは、製造業にとって永遠の課題であろう。廣津は、グローバル企業をターゲットとし、サプライチェーンマネジメント(SCM)の概念の1つである「S&OP(Sales & Operations Planning)」を考慮しながら、計画業務の改善という課題解決に取り組んでいる。

「数を売る=利益をもたらす」ではなくなった

ヒット商品を開発し続けることが非常に難しい昨今、製造業や流通業の各社は収益を確保すべく、滞留在庫やチャンスロスの防止に取り組んでいます。

しかしながら、計画業務で苦慮されている企業様は多いのが現状です。原因は2点考えられます。その原因を説明するにあたり、まず生販在(PSI)計画の確定プロセスをご説明したいと思います。

多くの企業様では、販売などの需要サイドは、マネージャーが担当者の見込み値を集計し、過去の実績も考慮して販売計画を策定します。

一方、製造・調達などの供給サイドは、過去の生産・仕入実績、工場の稼働率、原料や製品の在庫を元に生産・調達計画を策定します。別々に策定された計画をもとに、生販調整会議などの形で需給を確定しています。

ただし、製品の種類が増え、市場がグローバルになった昨今では、見込み値の手集計、いわゆるバケツリレーでは時間がかかり、タイムリーに調整を行えません。これが1点目の原因です。


また、営業担当はケース、マネージャーは品種単位、製造・調達担当者は製品単位、というように管理メッシュが異なると、集計や按分の過程で情報の粒度が損なわれてしまい、調整した計画通りに進めても、実際の市場と乖離することがあります。これが2点目の原因です。

グローバルな競争で打ち勝つためには、数量を売るだけでなく、需要変動やビジネス環境の変化に対して、「正確な情報」に基づいて、「迅速な調整」を行うことが必要になります。

数+金額に基づく判断。「S&OP」というアプローチ

では、収益を確保するための計画業務とはどのようなものでしょうか? 私たちは、以下の3点をポイントにした仕組み作りをご提案しています。

1点目は、作業の効率化です。これは、需要サイドと供給サイドが調整を密に行う時間をつくることが目的です。

例えば、見込み値の集計作業や販売動向が安定している製品の需要予測の自動化です。この中で、データ構造、例えば製品を示す情報として品番以外に品種・地域・製造工場など、特定させるために必要な情報を洗い出すことで、集約・按分しても正確性が損なわれないようにしていきます。

また、これまで属人化していた集計や判断基準をある程度「標準化」していくことができます。


2点目は、需要視点での計画立案です。売れるモノ・売れないモノの差が激しい昨今では、「製品や原料の欠品を防ぐ=モノが途切れない」ことを重視した供給視点の計画立案から、需要変動に基づいた計画立案へシフトしないと、欠品や余剰在庫のリスクが高まってしまいます。

過去の実績に基づいた需要予測値と現在の実績を比較して考慮することで、より現実のトレンドに則した計画を立案できます。

3点目は、判断指標として「金額」も取り入れる事です。従来のSCMの考え方では、需要サイドは欠品率や製品在庫、供給サイドは稼働率や原料在庫のように異なる指標を重視した計画を策定しているため、どのように擦り合わせるのかの客観的な判断が困難です。

これに対して、私たちは「S&OP」という「いくら売れるか・儲かるか」という金額(収益)も評価指標とするアプローチを提案しています。共通のモノサシを用いることで調整が行いやすいことはもちろん、収益確保にも役立ちます。

私たちは、「Kinaxis RapidResponse(Kinaxis社製)」、「Demand Solutions DSX(Demand Solutions社製)」というSCM/S&OPのパッケージ製品をベースにした仕組みをご提案しています。

それぞれのパッケージ製品は、「SAP ERP」や「Microsoft Dynamics AX」をはじめとする基幹系システムとの親和性も高く、お客様環境に合わせて、計画業務に必要な情報を一元管理し、需要予測に基づいた一連の計画業務を行える環境を整備できます。

利益を向上させる「成長する仕組み」の実現

私たちの目的は、単なるパッケージ製品の導入ではありません。あくまで、お客様の収益向上のため、需要サイドと供給サイドが密に調整を行える仕組みの実現を目指し、以下の3点を心がけています。

1点目は、シンプルであること。計画業務って「正解」がないんです。在庫がゼロだとしても、それは販売機会を逸してしまっているのかもしれない、「もっと良くできるんじゃないか」「もっと改善できるんじゃないか」そんな余地が常に残ってしまう領域なんです(笑)。

また、トレンドの変動も激しいので、その都度、大がかりな改修をしていたら、取り残されてしまいます。だからこそ、複雑につくり込み過ぎず、お客様の判断に必要な情報が迅速かつ正確に導き出せる仕組みを心がけています。

2点目は、計画業務の全プロセスをシステム化することにこだわらないことです。ビジネス環境の変化が激しい中、全てを単一のシステムとすることが最善とは限りません。

むしろ、担当者が手で修正する余地を残した方が、変化に強いかもしれない。現状の業務プロセスをうかがいながら、それぞれの業務がどんな意味を持っているのか、その情報がどのように次のプロセスで活かされるのかをヒアリングし、お客様と一緒に全体像を考えます。


無駄に見えるプロセスも何らかの理由があるケースが多く、そういった背景も考慮することで、お客様の仕事の進め方や役割分担を配慮した仕組みになり、結果的に末永く使っていただけると考えています。

3点目は、データ構造の徹底的な見直しです。トレンドの変動が激しいとはいえ、過去の実績を活用する意味からもデータ構造そのものの変更は困難です。

これまで培った知見や業界特性を活用して、どういった切り口の情報が必要か、どんな関連性を持たせるか、現状だけでなく将来の計画業務も見据えてどのような構造にするかを一緒に考えます。

「計画業務に正解はない」からこそ、末永く使えて、成長していける仕組み作りを通じて、お客様の計画業務の効率化を支援していきたいと考えています。

なぜJFEシステムズが計画業務に強いのか

私たちは長年、JFEスチールの計画業務に携わってきました。

鉄鋼メーカーにとって、収益を確保するために計画業務は、極めて重要な役割を担っています。鉄鋼メーカーの原料調達は、海外から船で輸送するリードタイムを見越して、数ヶ月先の販売見込みや為替などの相場を考慮しながら、数万トンの規模で手配をかけます。

また、その原料を使って生産する際には、高炉という設備の特性上、連続して生産され、その規模は原料と同じく数万トンになります。


このように、膨大な原料や製品を取り扱いながら、数ヶ月先の需要を見込んだ計画を立てるのですが、一歩間違えてしまうと、滞留在庫の山となり、収益を出すことができなくなってしまうからです。

こうした難易度の高い鉄鋼メーカーの計画業務に関わることで知見を身に付け、20社以上のお客様の取り組みに参画しています。

私自身はこれまで、様々な業種のお客様を相手に営業活動を行ってきました。

お客様から伺った内容を資料化して意見交換を重ねていく中で、解決すべき課題や目指すべき仕組みを共有化していき、こうやってお客様と一緒に解決案を考えていった経験が、現在の業務でも役立っています。

お客様とお話しする際には、できる限りシステム用語を使わないことに加えて、現場の方には「業務がどのように効率化されるか」、経営層の方には「投資対効果」など、相手の立場に応じて伝える視点を変えて、仕組みの意義を理解してもらいながら仕組みづくりを進めるように心掛けています。

計画業務には正解がないからこそ、単なる仕組みづくりでなくお客様と私たちの間で何でも話し合える人間関係を築いていく、この考えを大切にしていきたいです。

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初回訪問時の説明やデモといった販売支援の他、セミナーで講師をしたり、ホームページやリーフレットのコンテンツ作成も行う廣津。語り口はマイルドでありながら、その説明は、さすがに分かりやすく適切だ。

通勤時間は読書、休日は子供と遊ぶなど家族で過ごすことが多いという。「子供は新しい環境に放り込まれても何とか溶け込み、新しいことができるようになる。『自分も頑張らないとな』と刺激を受けてます」。

※コラム内容は2015年2月時点のものです。

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