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グローバル企業を取り巻く、経営の意思決定の問題点

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  • SCM
グローバル企業を取り巻く、経営の意思決定の問題点

製造流通SI事業部 ソリューション企画部
堀部 寛貴

「ソリューション企画部企画グループ」は、製造流通業界向けを主とする新規ソリューションの企画・マーケティング・アライアンス・提案支援に関する業務を行う部署。堀部はその責任者として、国内外の業界動向をウォッチしながら、時代に即したサプライチェーンマネジメント(SCM)ソリューションを模索し続けている。

SCMの意思決定に追われる日本の製造業

日本の製造業のサプライチェーンマネジメント(SCM)や意思決定業務の課題に対して、具体的な解決方法を提示することが私のミッションです。まずは、お客様のSCM/意思決定業務に関する最近の傾向からお話しします。

かつて、日本の製造業の多くは、原材料を輸入し日本で製造して海外に輸出する、もしくは、市場に近い地域に工場を立ち上げてローカル調達を増やしながら市場シェアを獲得する、といったビジネスモデルで発展してきました。

しかしご存知の通り、近年の原材料価格の乱高下、製造拠点の移動や外部委託の拡大、急成長する新興国市場への対応、災害や経済危機による突発的影響など、企業を取り巻く外部環境は激しく変化・変動しています。かつてのビジネスモデルだけでは、グローバル競争に勝ち残れなくなってきました。


結果として、今日の企業のサプライチェーン戦略における意思決定には、外部環境の変化・変動に応じて、グローバルレベルで最適となる調達・生産・販売の組合せ条件を、迅速かつ柔軟に判断していくことが求められています。

しかしながら、これまで企業のSCMにおける意思決定は、供給側(製造)と需要側(販売)が別々に運用されてきました。
供給側(供給計画:購買・製造・物流計画)は、調達や製造におけるコストと能力などを考慮しながら、品質、納期、適正な在庫水準を決定します。調達先、製造・物流拠点、販売市場の複数の組合せの中から、グローバルで全体最適となるようにサプライチェーン全体の方針を決定していくのです。
一方、需要側(需要計画・販売計画)は、顧客ニーズの多様化や製品ライフサイクルの短命化などを考慮しながら、利益とサービスレベルが最大化できるように、販売戦略を意思決定していきます。

ところが、この需要側と供給側の間には、納期とコスト、顧客へのサービスレベルと現場の効率向上など、相反する要素が存在しています。
そのため、両計画の連携が不十分な場合、両計画のギャップを起因として、在庫の余剰・欠品・偏在、販売機会ロスや納期遅延など、両者の責任の所在があいまいな問題を発生させることとなり、結果として計画未達となるばかりか収益悪化やサービスレベル低下などを引き起こす要因となってきました。

さらに、これまでのSCMは、需要側も供給側も、販売計画や顧客オーダに対して「製品をいつ、どれだけ納入できるか」という「数量」視点のマネジメントを中心にオペレーションされてきました。
日々意思決定している販売計画や供給計画が、「真にどれぐらい収益に貢献できているか」という「金額(収益)」の視点を分析した上でなされていないという反省点もありました。

このような問題を解消するために、需要側と供給側の計画を同期化させて、事業全体で最適となるオペレーションを実現するための新しいコンセプトとして、近年にわかに注目を集めているのが、「S&OP(Sales & Operations Planning)」と呼ばれるマネジメント手法です。

企業の意思決定の新コンセプト「S&OP(Sales & Operations Planning)」

「S&OP」を更にご説明します。
「S&OP」とは、『外部環境の変動に対応して、迅速かつ柔軟に供給側(製造・供給)、需要側(需要・販売)、経営側(収益)を一体的に可視化して意思決定のオペレーションを運営するしくみ』と定義できます。
S&OPとSCMとの違いは、『供給側計画と販売側計画の一体運営を前提に、収益計画も同期化させる考え方』と『生産や販売量などの数量ベースではなく、金額・収益性も加味して事業計画を立案していく考え方』にあると言えます。

これまでの計画業務は、販売、生産、調達などの基本計画はERPパッケージ、現場の製造計画はAPSパッケージ(製造スケジューラ)、サプライチェーンの需給調整はSCPパッケージ(サプライチェーン計画)、中期・年次計画はExcelを駆使してのマニュアル作業で…という様に進められてきました。
販売・生産・調達、経営企画の各部門が、過去10-15年間の間に確立したITツールとマネジメントスタイルで、各々が必要な計画業務を進めている企業がほとんどです。
製販会議や経営会議など、部門間調整や全体最適が求められる会議体でも、各部門の計画担当者がそれぞれのシステムからのアウトプットデータを基に、Excelとメールを駆使して手作業で再集計したデータを持ち寄って会議運営するしかなかったからです。

このようなExcelのバケツリレーのような作業プロセスは、作業も属人化しがちで、関係者間でのリアルタイムな情報共有に支障がでます。各部門内の意思決定はともかく、変化に迅速に対応して事業全体を最適化させるための意思決定が難しいのです。

だからこそ、グローバル企業における計画業務の構造改革の必要性が急速に高まっているといえます。
当社の先進的なお客様では、既にS&OP実践のための基盤システムの整備が既に始まっています。

JFEシステムズのSCM改革/意思決定業務の改革を支援する取り組み

私たちJFEシステムズは、JFEスチールの「調達」「製造」「商社」「物流」といったサプライチェーン機能を担うグループ会社の基幹業務システムの企画・開発・保守を通して、JFEスチールグループ全体のSCMとS&OPの実践を支援してきました。

また、これらJFEスチールグループのサプライチェーンの業務改革を皮切りに、家電、ハイテク、半導体、アパレル、自動車などのグローバル化を進めている企業のサプライチェーン計画業務改革を、長年ご支援してきました。

2000年前後の第1次サプライチェーンブームの時代には、「SCMプロセス改革(グローバル需給計画システム構築)」「最適化技術による製造スケジューリングや配送計画の構築」などをはじめとする、お客様にとって付加価値の高い先進的SCMプロジェクトの導入支援を担っています。


今日では、前述のような時代背景に敏感なお客様へのS&OP業務改革プロジェクトのコンサルテーションやシステム導入が、ますます増えています。
「S&OP」は、海外では1980年代から提唱されていた概念ですが、日本では、まだよく知られているコンセプトではありません。
私たちは、早い時期からJFEスチールでのS&OPシステムの導入と実践をはじめとして、日本を代表するグローバル企業にS&OPソリューションをご提案し、お客様の意思決定の業務改革を支援してきました。

S&OP/SCMソリューション「RapidResponse(キナクシス社製)」、需要予測&在庫計画&製造スケジューラ、「DemandSolutions DSX(DemandSolutions社製)」、数理計画による最適化ソルバー「Gurobi Optimizer(Gurobi Optimization社製)」、最適化モデリングツール「AIMMS(Paragon Decision Technology社製)」など、海外の先進的ソリューションもいち早く取り入れ、単なるコスト削減だけでなく戦略的なSCM/S&OPを実現する多くのソリューションをご用意し、お客様のSCMの課題を解決しています。

常にSCMの前線を走る企業でありたい

私が所属しているソリューション企画部は、製造流通業界向けを主とする新規ソリューションの企画・マーケティング・アライアンス・提案支援のほか、お客様への専門的コンサルテーションを行う部署です。

「お客様の業務改革を実現し、投資効果を的確に評価した指針づくりを支援する」ことが私のミッション。

特に私は企画の責任者として、常に新しい価値をお客様に提供し続けることを心がけています。
今後も常に新しい視点を持ちながら、SCMの前線を走る企業でありたいですね。


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趣味は、通勤時間を利用した読書。ジャンル・国籍を問わずあらゆる本に目を通す。「本屋や図書館にはよく足を運びます。新書のタイトルを眺めるだけでもあれこれ読みたくなります。」業界最前線の知識を貪欲に吸収する堀部の「企画屋」としての一面を垣間見た。

※コラム内容は2012年10月時点のものです。

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