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"ブランド"や"肩書"をはずした時、自分に何が残っているか。

キーワード
  • ERP

ERP・BIソリューション部 ERPグループ
磯島 瑞夫

SAPマイスター2010における「アーキテクチャ」「ビジネスプロセス」の日本初の2部門同時殿堂入り。そのインパクトは大きい。しかし、磯島はそれを強調されることを嫌う。「これは単なる肩書。この肩書を引いて残ったものが、本当の自分の価値だと思っています」。その価値とは何か。

ERP+パッケージ+スクラッチ開発のトータルソリューションで企業戦略をサポート

「ERPに対する考えが変わった。」
私はそう感じています。
数年前までERPは「万能」と思われてきました。

「ベストプラクティスの集合体であるERPを入れて業務を標準化すれば、とにかく世界の一流企業に追いつけるはずだ」と。
しかし、標準化されたプロセスの導入は今や当たり前。どの企業もやっている。それに加えて、積極的な差別化戦略がないと激しさを増すビジネス競争を勝ち抜くことはできません。


そのため、生産・会計・販売など「硬い」基幹系領域を担うERPに、企業戦略・戦術をサポートする「柔らかい」システムを、統合・連携させることが求められるようになりました。
マーケティングや商品マネジメントなど、従来のERPが対象としてこなかった業務領域に対しても、情報システム化が避けられない時代になったと感じます。

確かに、基幹系以外の領域をアドオン開発で補うことは、これまでも行われてきました。
しかしながら、企業の生命線となる差別化戦略を支える業務領域を、標準機能に付加する形式の開発でカバーするのは無理がある。その業務領域を支える専門的な知識や、具備すべき機能性が不足して、要求を満たせないケースが多いのです。
また、市場動向に応じて、要求が激しく変化する領域であるため、時間をかけて一からシステムを構築することも得策ではないと言えます。

こうしたニーズに応えるため、私たちはERPに各専門領域の高度な要求に対応可能なパッケージや、フレームワークを組み合わせたトータルソリューションを提案しています。(SAPシステムにも、マーケティングやレシピマネジメントに相当するコンポーネントがあることは知った上で、お客様のニーズに合わせた最適な提案をするという意味です。)

例えば食品メーカー様なら、「食品製造業に特化した統合データマネジメント・ソリューション MerQurius(メルクリウス)」「原価管理・採算管理システム J-CCOREs(ジェイ・シー・コアーズ」などのソリューションパッケージや、「食品業向け生産管理システム F-TERAS(エフテラス)」などのフレームワークを持つJFEシステムズには、各領域のトレンドに精通し、現場レベルの課題を見極めた上で提案ができるエンジニアがたくさんいます。
各プロダクトを支えるメンバーや組織が連携しながら力を結集し、お客様にとって最適な組み合わせのソリューションを提供できるところが、JFEシステムズの最大の強みであると認識しています。
この強みが基盤となって、私たちのトータルソリューションは、製造業、流通業などを中心に多くのお客様の支持を得ています。

システムベンダーとして、お客様の成果に目を向ける覚悟があるか

部門ごとの個別最適ではなく全社最適を図るERPの導入には、トップマネジメントが欠かせません。
しかし、経営層が現場実務までを具体的に把握していることは稀。経営と実務のコミュニケーションが不十分である場合、ERP導入(標準化)を、押し付けと感じることも多いようです。

導入したら勝手に経営・業務改革が推進されるといった誤解も、残念ながらまだまだ根強い。
ERPは「魔法の箱」ではありません。やはり、お客様自身が人や組織と向き合わない限り、業務改革は達成できません。

経営と現場の意識の隔たりを埋めるために、システムベンダーにできることがあります。
私の考え方はこうです。

導入する情報システムが決定する以前に、多くの時間を投じて、企画、構想を練るフェーズ(コンサルティングフェーズや情報システム化構想などと称される)が設けられるかどうかが、大きな焦点であると思います。
大義や目的なき情報システムの導入では、現場は目先の課題解決に終始して、成果の低い活動になってしまうからです。

(プロジェクトによってアプローチは異なりますが)基本姿勢は、対話と協議ですね。なるべく多くの関係者と、協議する機会を設けるべきと考えます。
マネジメント層に対しても、他社での事例などを提示しながら、意思決定を後押ししたい。
見なくてはいけないことから目を逸らした状態で、業務・経営改善なんて実現しませんから、各部門の責任者がホンネで語り合う会議を開催、司会進行を担当することもあります。

そうやって、システムベンダーという立場でありながら、経営と現場の考えや思いを受け止めて、そのつなぎ役となる覚悟があることをお客様に示すことが重要です。
そうして初めて、「第三者であるこの人が自社のために頑張ってくれている。自分たちも頑張ろう」という空気ができる。
こうした期待にこたえるためにも、導入後の運用にも配慮した、長期的なお付き合いを心がけています。導入までが仕事の範囲で、その後は知らないというマネはしません。

テクニカルスキルばかりが、エンジニアの価値ではない

SAPマイスターは、お客様から見たときの価値の一つとして大事だから、これまでの成果を振り返る意味もあって、認定を目指したものです。一方で、お客様から見える価値から、こうした肩書や製品ブランドを引いて残ったものが、本当の自分の価値だと思っています。私はそこを評価されたいし、磨いていきたい。

入社後すぐに、SAP市場に身を置くことになりましたが、たくさんの機能を熟知し、パッケージ製品に関する知識や技術を武器にするスタイルは、すぐに飽和すると感じました。この手のスタイルとは一線を画し、お客様の成果により直結する導入活動をするために、ヒューマンスキルに磨きをかけました。

プレゼンテーション能力の向上や、ヒアリング手法の習熟、議事進行を円滑にする能力(ファシリテーション)などが代表格です。

一般的なエンジニアのキャリアパスとは少し異なりますが、JFEシステムズには、こうした考え方が従来からありました。
その結果、過度なプロダクト志向に陥らず、お客様の成果に目を向けるアプローチが体得できたのだと思います。


お客様と一緒に歩みながらシステム化までの道のりを示していくのがシステムベンダーの仕事。
ERPコンサルタントにも、ERPに固執せず純粋にお客様の課題解決を目指していく姿勢が、より強く求められます。
私が身に付けたスキルは、今、お客様に求められるものだったと実感しています。
これらの仕事を通じて、社会に貢献することこそが、私の覚悟でもあります。独りよがりな価値の追求ではなく、公益性を重んじて、生きていきたいのです。

情報システム業界のビジネススタイルを変える

私には、システム業界がこれまでしてきたことに、少し疑問があるんです。
製品やサービスにカーテンを張って、ブラックボックス化してビジネスをしてきたように思えてならない。一般消費財のように、お客様が自分の目で見極めて購入することが極めて難しい構図をつくり上げ、それを業界として容認してきたと思います。
これでは、マズイと思うのです。この業界にいる者として。
この思いは、お客様と密接に関わる仕事を続けるうちに、「業界のビジネススタイルを変えなければ、自分たちは要らなくなる」という危機感に変わりました。

だから、今の目標は、純粋にお客様の課題解決を目的に、社内外問わず良いものを組み合わせた、オーダーメイドのソリューションを実現すること。
それを新しいビジネスモデルとして確立させたい。
実現すれば、これまでのシステムベンダーの一般的な役割や、仕事の進め方を刷新することになると思います。
それを可能にする環境も力も、JFEシステムズにはあると確信しています。
これこそが、真の顧客志向ではないでしょうか。


***

ときおりホワイトボード上で図示しながら、ていねいに取材に応じていた磯島。静かに、しかし、芯に強さを感じさせるその話しぶりから客先での姿が浮かんできた。
そんな磯島も、プライベートでは3人の子育てに追われる父親である。「週末は、子どもたちと一緒に勉強や運動です。楽しいけれど大変です。仕事より大変なので、月曜から金曜にかけて仕事をしながら体調を取り戻す、変わった生活スタイルを送っています(笑)」。

※コラム内容は2012年10月時点のものです。

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