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SAP 導入事例

SAPと販売管理システムを連携させることで、『カテゴリ別損益管理』を実現しました。


JFE商事株式会社 IT企画部 高橋恵三氏、石川秀昭氏、和気貴紀氏に、JFEシステムズにSAP導入を依頼した経緯と、その評価について詳しくお聞きしました。


目次
  1. - JFE商事について
  2. - 基幹業務システム再構築プロジェクトについて
  3. - 業務効率化を目指し、JFEシステムズにSAP導入支援を依頼
  4. - SAP ERPの評価
  5. - カテゴリ別損益管理と与信管理機能の充実という成果
  6. - 今後の期待


JFE商事について

- JFE商事について教えてください。

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  JFE商事は、鉄鋼および鉄鋼周辺事業を営んでいる商社で、JFE商事グループの中核事業会社です(※)。取り扱い品目は、鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、化学品、燃料、資機材、船舶など多岐に渡っています。拠点は国内に18箇所、海外15ヶ国に29箇所。従業員は単体で約1300名。2010年度の年商は、連結で1兆8000億円です。

※JFE商事グループは、JFE商事ホールディングスを持株会社として、「JFE商事株式会社」、「川商フーズ株式会社」、「川商エレクトロニクス株式会社」「川商リアルエステート株式会社」により構成されています。

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基幹業務システム再構築プロジェクトについて

- 基幹業務システム再構築プロジェクトについて教えてください。

 2003年に営業系・経営管理系(入出金を含む)などの、社内基幹業務システム刷新が決定しました。刷新を決めた理由は、以下の3点です。第一に、旧川鉄商事と旧エヌケーケートレーディングの合併で誕生する新会社「JFE商事」にあわせて、新たな基幹システムが必要になったこと、第二に、それまで30年以上使い続けてきたシステムが機能面で劣化してきたこと、第三に、JFEグループの中核会社であり、かつJFE商事の主要仕入先でもあるJFEスチールの新統合システム(J-Smile:JFE Strategic Modernization & Innovation Leading System)の開発が、2006年の稼働開始に向けて進行していたことです。

 2003年当初は「JFE商事全体のシステム再構築プロジェクト」として検討を開始しましたが、同年10月に営業系を先行して再構築することが決定しました。更に2005年に、経営管理系システムも営業系システムと同時稼動させることが決定し、短期でシステムを構築する必要性に迫られていました。

 経営管理系システムの開発は、当初は手組による開発も選択肢として上がりました。しかし検討の結果、早期のカットオーバーを実現するためには手組開発では無理があるという結論に達し、ERPパッケージを導入することに決めました。

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業務効率化を目指し、JFEシステムズにSAP導入支援を依頼

- ERPパッケージとしてSAPを選択した理由を教えてください。


和気氏短期導入を目指して、SAPを選択しました。(和気氏)

 短期導入には、ERPのデファクトスタンダードとなっているSAPを選択することが最適であると考えました。SAPは大手商社でも既に多くの導入実績があり、安心感があったからです。「商社テンプレート」を活用することを前提に、商社系のSI企業数社に、提案を依頼しました。各社のテンプレートの機能、提案内容を比較しましたが、具体的な成果物、入力画面は、全面開示が適わなかったので、提案受領段階では、フィットギャップ分析を十分に実施できませんでした。

 一方で、JFEシステムズは、鉄鋼など金属製品の製造・販売・流通に精通しているため、不足部分のギャップを埋めるSAP導入パートナーとして起用するのが適切であるとの結論に至りました。JFEシステムズには、SAP導入の他に販売管理システムやBIシステムの構築も依頼していたため、SAP ERPの導入にとどまらない「複数システムのシームレスな連携による業務全体の効率化」の実現も期待していました。結果、2005年にSAP導入プロジェクトを発足、2007年に周辺システムを含め基幹システム全体を無事本番稼動することができました。


SAP ERPの評価

- SAP ERPの評価をお聞かせください。

 SAP ERPは、堅強なデータベース構造、高い内部統制力に対して、導入プロジェクトに携わった各メンバーからも一定の評価を得ています。またSAP本来の機能である一般会計、管理会計については、当初想定していた「会計システム機能のフィット率 一般会計89%、管理会計70%」に対し、実際にも「一般会計82%、管理会計66%」という結果となり、会計システムとして十分な機能を実現できたと評価しています。

 管理会計機能、投融資管理、資金繰り管理のユーザー要求は、結果的に当初想定より大幅に拡大してしまいました。SAPではこの要求機能を吸収できましたが、もし手組みで開発を行っていたら、当初予定していた予算での開発は不可能であったと予測され、その意味でもSAPというERPパッケージを採用したことには大きな効果があったと考えています。

 さらにSAPの特徴であるリアルタイム統合やドリルダウン機能により、業務の効率化と迅速な意思決定が可能になりました。今回SAPで構築した入出金、経営管理システムに、既存の販売管理システムやBIシステムを組み合わせることにより、「カテゴリ別損益管理」および「与信管理機能の充実」が実現したことも導入成果のひとつであったと考えています。

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カテゴリ別損益管理と与信管理機能の充実という成果

- 「カテゴリ別損益管理」について詳しく教えてください。


石川氏

カテゴリ別損益管理を通じて損益の正確な把握を目指しました。(石川氏)

 商社の利益形態は基本的に「売上高」から「仕入高」を差し引いた金額(いわゆる口銭)です。鉄鋼という商品は、最も基本的な一次素材(生産財)であるため、景気の変動に合わせて需要(売上)が乱高下しがちです。一方、巨大な設備を使って計画的に大量生産する商品でもあるため、需要の変動に合わせて柔軟に供給(生産)調整を行いにくいという特徴もあります。

 商社に求められる役割のひとつに、そのような供給元と需要先の間に立って「コーディネート」を行い、両者の利害を調整し、リスクを最小化する機能があります。しかし、そうした調整を行いつつも、一方では「会社としての適正な利益」も確実に確保しなければなりません。そのため、商社には、損益の正確な実績把握、早期予測が不可欠です。

 この「損益」を様々な指標を元に算出・予測し、経営の羅針盤とするために、JFE商事が現在使っている手法が「カテゴリ別損益管理」です。まず、基本となる指標(分析キー)として、取引形態、売上先、仕入先、品種、地域、最終需要家などの合計17項目を設定し、これらを室単位で組合わせ(例:地域、品種、売上先の組合わせ)ます。これを「カテゴリ」と称しています。このカテゴリを1つの単位として、売買利益の把握のみではなく、人件費等の経費も紐つけした実質損益(予測)をSAP BusinessObjectsを利用して分析しています。

 営業部員は、日常業務の中で分析結果を指標として、今後の営業戦略を立案しています。いわゆるこのカテゴリ別損益管理機能は、「損益管理の羅針盤」として、重要な役割を果たしています。

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- 「与信管理機能の充実」について詳しくお聞かせください。

 JFE商事の仕入先にあたるJFEスチールなど鉄鋼メーカーに比べ、商社の売上先は多岐に渡ります。そのため、商社は「多岐に渡る売上先の与信管理」を執り行い、リスクを調整する必要があります。また、商社には一種の金融機能もあり、取引先に対してキャッシュフローリスクを軽減する役割もあります。SAPや販売管理システムなどを連携し活用することにより、リスク調整に不可欠となる与信管理をよりきめ細かく行うことができるようになりました。

- 今回のプロジェクトにおけるJFEシステムズへの評価をお聞かせください。


 今回のプロジェクトにおいては、単にSAPを導入するだけでなく、それを既存の販売管理システムと組み合わせて、先に述べた「カテゴリ別損益管理」などの仕組みを確立する必要がありました。JFEシステムズは、SAPと販売管理システムとを互いの整合性を損なうことなく、最適な形で連携させてくれた点を高く評価しています。


今後の期待

-JFEシステムズへの今後の期待をお聞かせください。

高橋氏

JFEシステムズの継続的な支援に期待します。(高橋氏)

 JFEシステムズの導入支援により、JFE商事の重要な基幹システムとなるSAPを無事導入することができました。しかし、ERPは導入してそれで終わりではありません。今後も継続的に進化させる必要があると考えています。JFEシステムズには、JFE商事の今後の経営目標や未来のあるべき姿をトータルで理解した上で、長期的視点に立ったシステム改善提案を提示してくれることを希望します。
今後ともよろしくお願いいたします。

 

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